ふれる、ふれられること・・・その配慮について

2021/12/09

一人ひとりの体験・背景と、触(ふ)れる・触(ふれ)れられること・・その配慮について・・

2021年12月2日(木)20:00~21:30 第9回「看護とTTを語る会」がオンラインで開催されました。師走に入り多忙な中でも5名のメンバーが参加しました。

★まずは参加者それぞれ近況報告

 地域のボランティアメンバーとTTやハンドマッサージを行っている東北のAさん、コロナ禍でなかなか実践ができなかったけれど、先日「5ステップ腕だけ散歩」をメンバーに初めて紹介し一緒にする機会があったそうです。最初は皆「・・・??」な雰囲気。がすぐに「なんだかこれいいねえ~」と変化、今までのセルフタッピングも「気持ちいい」と言ってくれていたけれど、今回は「楽しい!」という声も聞かれ、皆がニコニコ笑顔でやってくれている様子に、心身が楽になった!という感想に、Aさん自身もとっても嬉しかったとのこと。
 また、この会のリーダーのMさんは、難関資格にチャレンジし見事合格!忙しく多重タスクをこなすMさん、どうやったら効率的にこなせるかの秘訣を紹介してくれたり、年齢は関係ないよ、興味とチャレンジと努力を実践モデルで見せてくれたり、いつも皆に刺激とモチベーションアップをくださいます。

 Yさんの近況活動報告は、ちょっと難しかった対応の体験について共有していただきました。学生約30名に対して講義内でTTについて対面での実習を実施。*当日は全国大会の地域別で交流した、北九州と山口のインストラクター2名も当日サポートとして参加されたとのこと。地区のネットワーク心強いですね。
 触れたり、触れられたりすることに抵抗がある学生も予想され、1週間ほど前から事前にTTの流れなど説明し、気持ちの準備期間的にも配慮したそうです。ただ当日数名の学生がデモを見た後に参加は難しいと見学され、セルフタッピングも難しいという方もいたと。このようなケースはインストラクターとしても初めての経験で驚き戸惑いとともに、対応の難しさも感じたそうです。 全体では実施後のレポートでも「早速家で家族にしたところ、よく眠れたといわれて、TTの効果がすごいと驚いた」という感想などもあり、やはり実施してよかったと感じたとのことでした。

★そして、その内容についてメンバー間で以下のような体験談や意見で深めて話し合いました。

・虐待やDV被害者の方などは、触れられるということに課題、壁があったり、リラックス、ゆるむという事への恐怖や危険を感じたりすることがある(みんながみんなではない)。
・何らかの理由で自分の存在が受け入れ難い、否定しているような場合、セルフタッピングで自分を触れることは生きていることの確認になったり、実感する行為にもなり、反対にTTが脅威になってしまう可能性もある。ただ皆がやっていることを見ることができたなら、TTで距離が近くなり良い関係になっていく様子を見て、また無理をしなくてよいことを知って、学んでもらえれば自分で自分をケアすることに、そしてケアを受け入れることに徐々になじめるかもしれない。
・学生に実施する際に事前説明アナウンスされたことはとても良い配慮であったと思う。学校講義内での実施は強制的になってしまいがちなので。
・以前看護学生さんに実施した時のことで、TTをしているときいは何も言ってこなかったが、実施後のアンケートで「自分の陣地に踏み込まれた感じがしてとても嫌だった」と記載。毎回アンケートの多くは良かったとかいてあっても、こういう思いはなかなか表面に出てきにくい、インストラクターはそういうことも意識して、もっと配慮していかなければいけないと思った
・TTをするときにはいつも「触れていいですか?」など確認してからおこなっていたつもりだったが、自分の中に、多分了解されるだろうという思い込みや触れられることは良いことという前提があって、形だけの確認になってしまっていたのではないか。相手が本当に了解しているか、ちゃんと確認できていなかったな、と気づかされる良い機会だった。
・母性看護の教員をやってきて、虐待の世代間連鎖(伝達)の背景を抱えている学生も少なからずいると感じていた。
・最近は性的マイノリティに対する配慮など、いろいろな配慮が必要とおもうが、なかなかすべての人にというのは難しいかもしれない。気づかせてもらった時にはありがたく受け止めて、対応を考えていくようにしたい。
・インストラクターが実施者に近づいて手直しする際、声掛けたり、交代して手本を見せたりする場合も、焦って手直ししなきゃという意識が先になると結果、配慮に欠けた態度となりやすい。ぞんざいでないことや、語り口調や間(ま)が丁寧であるなどの意識が必要。やはり「ゆっくり、やさしく、ていねいに」の基本に立ち戻ってすれば、TTが脅威にはならず大丈夫なのではと思う。

今回も、色々な思いやとらえ方、感じ方を聞くこと、語り合うことができて有意義な時間になりました。
次回第10回の看護とTTを語る会は 2月3日(木)20:00~の予定です。
(1月はお休みです)

平由佳

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