活動レポート(ブログ)

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心のケアの方法も備えておこう~能登半島地震・被災地での活動⑤~

2024/08/27インストラクターより

3月から5回にわたり、能登半島のグループホームや避難所、障がいを持つ方の就労支援事業所や特別養護老人ホーム、お風呂屋さんでの大学主催のイベントなど多岐にわたる場所でインストラクターがタッピングタッチによる支援をしてきました。被災地支援ー>https://www.tappingtouch.org/?tag=disasteraid

能登半島の被災地の復興が進まないなか、今度は宮崎県日向沖で震度6の地震が起こり、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」呼びかけもあり(現在は終了)、不安になった方も多いと思います。そういうときもタッピングタッチをしましょう。心が落ち着きます。一緒にタッピングタッチができる体験会が、全国(オンライン含む)で開催されています。
基礎講座セルフケアプログラムの受講もおすすめです。

子どもたちも不安を抱えています。ニュースや大人の反応に敏感です。
親子で安心の時間をもちたいですね♡
ぜひ、
タッピングタッチで家族のじかん」をご活用ください。

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タッピングタッチでの被災者支援~能登半島地震・被災地での活動⑤~

8月10日(土)、石川県能登町の「グループホームなかよし」(2ユニット・入居者18名・認知症対応型共同生活介護)で活動しました。ご入居者と職員の方々にタッピングタッチのケアをしました。
この日は、山口の橋村雅子さん、長野の渡邉冨美恵さん、大分の山下誠二さん、大阪の平由佳さんと、神戸の鈴木の5名で伺い、今回も能登福祉救援ボランティアネットワークの後藤さんがコーディネーターとして全面的にサポートしてくださいました。

<準備のこと>
「グループホームなかよし」さんは震災で建物が使えなくなり、発災初日から、同系列の障害者施設の多目的ホールに避難されていました。新築の施設がこの度完成し、前週にお引っ越しされたところでしたので、コーディネーターの後藤さんから「何かサプライズでお祝いできれば!」と声をかけていただき、バルーンアートで花束をプレゼントすることに。また、ご入居者のお部屋に「彩りを添えられたら」とお一人ずつに小さなお花のバルーンを作りました。5名のインストラクターは当日の朝に金沢駅で集合したため、事前にみんなで作業することはできませんでしたが、現地まで2時間30分ほどの車中を活用して、最後の仕上げを一緒にしていただきました。

風船の花束は珍しかったようで、男性のご入居者が近くでじっくりと眺めておられました。「いいねぇ、すごいねぇ、これは作るのにどのくらいかかるの?」等、ニコニコと話しかけてくださり、会話も弾みました。お一人ずつのお花のバルーンは、職員さんがていねいに「どの色にする?」とご入居者に声をかけてくださっているのがとても嬉しかったです。

では、活動された皆さんの感想をお伝えします。

<橋村さんより>
今回、訪問させていただきました所は、被災で仮住まい、そして新居に引っ越しされたところでした。
そして帰りには輪島地区で大規模な火災のあった朝市通りにも寄せさせていただくこともできました。とても心痛むものでしたが、施設の皆さまからも被災状況からも共に、沢山の学びをいただくことができ貴重な体験となりました。
 
入居者さんからは「あったかいね~」「気持ちいいね~」「あなたも疲れるでしょう♡少し休みなさい」「ありがとうね」と、私たちをねぎらう声かけや温かい言葉を沢山かけていただきました。また見よう見まねで、私たちと一緒に職員の方からも入居者さんに触れていただくこともでき、たちまち和やかな雰囲気に♡終始笑顔が絶えませんでした。
何よりも最高だったのは、ほぼ全員の職員の方一人ひとりに、ゆっくり時間をかけてタッピングタッチを体験してもらうことができたことです。この7ヵ月間、ご自身のこともあるだろうに入居者のため奮闘され、心身ともに疲労困憊の状態だったとお察しする皆さんに、タッピングタッチの温かさを身体中に感じてもらったことです。 「あっさりした~(すっきりした~・かるくなった~の意)」「なにこれ~不思議~!身体の痛みが和らいだ~楽になった~」「ずっと触っていて欲しい~」と口々に 言っていただき笑顔が絶えませんでした。
「これからレクに取り入れたらいいね」「職員同士、皆でし合おう」とも。
そんな中、「疲れていらっしゃるんだなぁ」と30分間もさせていただいた方から手を止めることへの後ろ髪を引かれるような思い、手の感触、忘れられません。その職員の方とはハグをして施設を後にしました。

今回の体験は、こちらが幸せをいただきに行ったようでした。「巨大地震注意」発表の最中、誰しもいつ何が起こるかわかりません。何があってもお互い助け合いながら 生き抜くパワーもいただきました。

<渡邉さんより>
私の住む長野県と石川県は、北信越5県に含まれていて、2015年には北陸新幹線でつながったこともあり、距離は遠くても近しい気持ちがありました。今年の元旦に大きな地震があってから、ずっと能登で支援ができないかと思っていたのですが、タッピングタッチのボランティア活動が始まったと知り、あまり活動をしていない私ですが参加をお願いしました。

最近できたばかりの新しく快適な施設に伺いました。今に至るまで、どれだけ大変な環境だったか、職員の皆さんがどれだけ頑張っていらっしゃったか、ここからは想像ができません。入居者の方たちは様々な状態で、中には表情が乏しく言葉もなかなか発しない、ひじ掛け付きの椅子でないと座位が不安定な方も何人かいらっしゃいました。
地域の傾聴ボランティアでグループホームには何度も来訪していたので、タッピングタッチをどんな形で行えばいいのか、実はずっと心配でした。到着して、さあ始めましょう!という時、私は思った通り、椅子のセッティングから戸惑ってしまいました。「できる範囲で、できる部分に、少しでもゆったりした穏やかな時間を」という思いで、何人かの入居者の方たちにおこなって、2人のスタッフさんにも行いました。

お一人のスタッフの方は、先日交通事故で後ろから追突され首回りが不調だとおっしゃっていて、それは改善できないにしても、おこなっている間ずっとウトウトされていたので、その時間だけでも少し楽になって気持ちも休めたのでは、と思いました。
最後に98歳の女性の方からは震災当初のお話をお聴きしました。その時はその方の横に居て、お顔を見つつ両肩をタッチしながらの、ほぼ「傾聴ボランティア」になっていましたが、お許しください。「大変だったけれど今ここに居られてとてもありがたい」とその方はずっと笑顔でした。
今回グループホームでタッピングタッチを行わせていただいて、私の中ではいくつかの反省と共に、課題ができました。様々な状況にある高齢者の方たちにもこのような時間を大切にしていただけたらと思います。

輪島地区への視察では、変わり果てた火事の爪痕、潰れた建物、途中の崩れた山肌と道路、見ているだけの自分は何もできないことを突きつけられている現状でした。

<山下さんより>
6月珠洲市あみだ湯様での活動(佛教大学主催イベントでタッピングタッチ~能登半島地震・被災地での活動③~)に続き、能登被災地でのタッピングタッチボランティアに再度参加させていただきました。今回はご入居者5名、職員1名にタッピングタッチをさせていただきました。

<平さんより>
今回の訪問では、スタッフさんたちにもゆっくりとタッピングタッチをうける体験をしてもらうことができました。トントンしながら、地震発生から約7ヶ月間、他の施設のホールを借りての、ご入居者との避難生活やケアの大変さ、ご自身の自宅の被災のことなど、お話をうかがいました。心身ともギリギリの状態がつづいていたのだろうと感じ、労う言葉をさがしながらタッピングタッチさせていただき「あっさりした~(能登の方言でスッキリしたという意味)」といってもらえたときは、ほっとしました。
私の実家の父(95歳)が、最近、高齢者施設に入所したばかりなので、利用者家族の立場も重なって、みなさんが、被災の困難を乗り越えて、今元気でいらっしゃることが本当にありがたい気持ちでいっぱいでした。

7月、8月と高齢者や障がい者施設を訪問し、改めて災害時の被災地への専門職の派遣や、ケアに必要な物資の支援がとても重要なことがわかりました。
また、どの施設の管理者さんや職員さんも、能登福祉救援ボランティアネットワークのコーディネーターさんをとても信頼されてお話しされている様子を見て、現場の状況やニーズをよく聞いて、見て、関係性をつくりながらサポートすることや、継続して支援できるネットワークの存在の大切さを学びました。そのベースの支援活動や信頼関係のうえで、私たちのタッピングタッチも効果的にさせていただけたのだなと思い感謝しています。

<さいごに>
3月、5月、6月、7月、8月と5回にわたり、能登半島地震の被災地にお伺いしてタッピングタッチのケアをお届けしてきました。毎回違う場所で、違う対象の方々にケアをしました。
お一人ずつに基本形をさせてもらったり、体験会にしたり、基礎講座Aをしたり。タッピングタッチが、どんな場所でも、どんな方へも、どんな場面にも活用できるということを実感できる経験でした。

「被災地の方に何かしたい」という思いで、全国からインストラクターさんがご連絡くださって、12名(延べ19名)の方が活動されました。金沢駅で初対面という方もたくさんいらっしゃいましたが、皆さん「思いはひとつ」、協力しあって良い時間を作ってくださいました。
「ぜひ参加したい」とご連絡いただいたにもかかわらず、日程等があわず、ご参加いただけなかった方も多くおられました。

今回、私たちが活動できたのは、能登福祉救援ボランティアネットワークの方々が発災直後から被災地に入り、被災地域の皆さんのニーズにきめ細かく対応しておられたからです。訪問先でも全面的にバックアップしていただき、心から感謝申し上げます。

神戸・鈴木貴子

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癒しと笑いの30分

2024/08/27インストラクターより

毎月第3土曜日の夜に開催の「みんなでzoomでセルフタッピングの会」は、大阪、関西を中心としたインストラクターがガイドしています。
タッピングタッチが初めての方にもわかりやすい、ていねいなガイドに、関西の笑いとノリも加わって、みなさん楽しく癒されていますよ~。
 
詳細・お申込みはイベントカレンダーよりー>https://www.tappingtouch.org/?page_id=59
 
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◆7/20(土)21:30~22:00、参加人数は8名+運営スタッフ5名=13名、
ガイド係:佐々木さん、Zoom&進行&音楽係:鈴木

〈アンケートから感想を紹介します!〉
初めての参加でしたが分かりやすく説明して頂き違和感なく参加できました。小さい動作で心地よくなるというのが驚きでした。いつでもどこでもできそうなのがありがたいです。仲間と一緒に集まってやれるのもいいですね。
・暑い日が続いていますが、zoomの中はいつも通り穏やかな空間で落ち着けます!
・眠くて涙涙、鼻水、涙涙、鼻水でした。眠いんだけど、なんだか楽しくて、おもしろくて笑みがこぼれるという絶妙な感じのガイドでした。基本のセルフタッピングだけど、最後の方はネコの足ふみのタッチというのも、最後に向かってより落ち着いた感じになって、とてもいいかんじでした。
・カメラアングルを変えて丁寧に教えてくださり、ありがとうございました。毎月、本当にほっとするひとときです。
・(遅れて)途中からでも、すうっとスムーズに入れ、温かい雰囲気の中、自然に受け入れていただき、ほっとします。本当に安心できる場所ですね。楽しく丁寧なガイドに、心も体も緩み、気持ちは明るく笑顔になれました。肩の力も抜け、よく眠れそうです。
・疲れを取るために、朝までしっかり寝て昼寝もしたのに、タッピングタッチの音楽を聴いた途端にあくびや涙が止まらなかったです。皆さんの笑顔で気持ちがほんわかと暖かくなりました。いつにも増して楽しい時間でした。
・心ほぐれる楽しいリードをして下さり、ありがとうございました。楽しい気持ちって、貴重だな。お人柄やな、と感じます。
・佐々木さんのガイドは、みんな、ちゃんと参加できるようにと丁寧で、いつもその姿勢に学びます。みんなと一緒にできるこの場が本当に大切です。
・佐々木さんの笑顔と配慮に満ちたガイドで、更に緩み、気持ちよくなれました。サラッと集まり、サラッと解散するこの時間が大好きです。
・久しぶりに自分に向き合う静かな時間を皆様と共に持てました。相変わらず、あくびや涙が出ません(;_;)心身が固まっているのでしょうか。
初めての方に向けて佐々木さんのガイドがとても懇切丁寧で素晴らしかったです。勉強になりました。週末バタバタしていても、疲れていても「やっぱり参加してよかった!」と思えます。

ガイド係さんより)初めての方がいらしたことと、私自身の経験値が少ないことの2つが重なってドタバタしてしまいました。反省…この経験を活かして更に頑張りたいと思います。
 

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2学期が始まるのがつらいお子様、家族、支援したい皆様へ

2024/08/20インストラクターより

「宿題、やったの?!」「夏休みの宿題、おわったの?」
子どもたちが言われたくない、嫌いな言葉ですね。
夏休みの宿題が終わらず、2学期が始まるのが憂うつになる子も多いです。

1学期に学校であった嫌なことを思い出す子もいます。久しぶりに行く学校での友人関係、クラスの雰囲気が不安になる子もいます。
これは日本全国の問題となっていて、文部科学大臣からのお手紙が発表されていたり、
「#8月31日の夜に。(生きるのがつらい10代のあなたへ)」というプロジェクトが行われ、メッセージをまとめた本も出版されていたりします。

もやもやとした不安を言葉にするのは、難しいですね。
言葉にできたとしても、それを表に出して親に伝えることができる子ばかりではありません。
親も、どのように声かけをしていいかわからない、子どもに寄り添う方法がわからないという方も多いと思います。

そんなときは、タッピングタッチをしませんか?
自然と寄り添うができます。言葉にしなくても指先から、愛が伝わります。
8月25日、無料オンライン体験会「タッピングタッチで家族のじかん」にぜひご参加ください!
対象は、親子で参加の方が優先ですが、お孫さんと、大人同士で、おひとりでの参加も大歓迎です。
助産師の近藤亜美さん、子育て・孫育てのベテランの中田利恵さん、スクールソーシャルワーカーの事務局長中川祥子がサポートします。
詳細・申し込みはイベントカレンダーをご覧ください。毎月月末日曜日に開催しています。

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「タッピングタッチで家族のじかん」 6月の報告
ファシリテーター 近藤亜美、記録 中田利恵、事務局 中川祥子

2家族の親子と、会員さん1名、インストラクター2名の計8名が参加しました。今回は以下の順番で行いました。①腕だけ散歩5ステップ ②紙芝居『タッピングタッチのなかまたち』 ③親子同士でタッピングタッチ(一人で参加の方はセルフタッピング) ④休憩の後、親子でのタッピングタッチ体験会の写真を見ていただき ⑤最後はネコの足ふみバージョンでセルフケアをしました。

腕だけ散歩5ステップが始まると、2回目の参加のNさんの二人の息子さんは元気よく跳ねたり動いたりしました。亜美さんから「子どもさんは自由に動いてみていいんですよ。がんばりすぎず、リラックスしながらしましょう」との声かけがあり、子どもと参加のNさんもOさんも安心したようでした。

紙芝居を見た後、簡単に自己紹介をしました。
「家族のじかん」に2回目の参加のNさんは、前回同様1年生のRくん、4才のDくんと参加されました。そして今回Nさんは、静岡で活動する「小さく生まれたベビーと家族の支援団体ポコアポコ」で出会ったOさんとHくん親子を誘ってくれました。
会員のTさんは
子育て支援に関わっていて、以前「2週間セルフケアプログラム」に参加されたそうです。インストラクターは東京都の植野さんと山口県の富田さんでした。

子ども達はそれぞれお母さんの膝に座り、タッピングタッチを始めました。タッピングタッチの音楽が始まるとすぐにRくんが「トントンして」と言ったのが印象的でした。ガイドに合わせて、お母さんたちはお子さんにふれました。少しするとRくんは、お母さんの背中にまわってやってあげているようでした。やがていつの間にか弟のDくんがお母さんのお膝にいて、タッピングタッチされていました。
1人で参加の方はセルフタッピングを静かに続けました。

亜美さんから、「子どもの頭にふれる時は子どもの頭は繊細なので、その前に十分にふれ合って信頼感をしっかり作ってからの方がよいですよ」とのお話しがあり、「ふれ方は地肌につかないほどの優しさで、そっとふれるように気をつけてね」とポイントの説明がありました。

「家族のじかん」の良いところは、画面の中で受けている子どもの顔が見られることです。背中にふれながら、大人は受けている子どもが、どんな表情をしているのか見て欲しいです。大人が思っているよりずっと子どもは感じていますよ。穏やかな表情で嬉しそうです。子どもはすぐに飽きて動き出しますが、ほんの少しの時間でもかまわないのです。「お母さんは、こんなに自分を大事にしてくれる。自分を大好きなんだな。」と“わずかな時間のふれあいを重ねること”で、子どもは感じとることができます。それを大事にして欲しいです。というお話もありました。

Nさんからは「途中で代わった下の子がだんだん体をあずけてくる感じになって、リラックスしてるんだなと分かりました」。Oさんからは「これから家族時間の中で、タッピングタッチでのふれあいをしていきたいです」と感想がありました。

会員のTさんが「自分にも、相手にも、ゆっくりやさしくていねいにと、ぶれないあたたかさが心地よかったです」と言われました。

亜美さんが親子でのタッピングタッチ体験会の実践の写真を見せながら、体験会運営のポイントを話してくれました。
インストラクターの富田さんは、「無理しなくていい。小さな子は歩きまわって当たり前。集中できなくたっていい。一瞬のふれあいでも子どもに届くものがあると伝えたら、安心してもらえそうです。参考になりました」と話されました。
インストラクターの植野さんは、「コロナ禍以降、タッピングタッチ親子講座をやめてしまっていましたが、今日の体験からやはり、ふれあいは大切と実感したので、再開したいです」と話されました。

子どもたちはそれぞれ遊びだしていたので、最後は大人だけで、タッピングタッチのセルフケア「ネコの足ふみバージョン」をしました。

次回は、8月25日です。どうぞご参加ください。

 

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ろう者・難聴者の方や特別養護老人ホームでの支援~能登半島地震・被災地での活動④~

2024/08/08インストラクターより

3月から始まったタッピングタッチによる能登支援も4回目となりました。能登福祉救援ボランティアネットワークさんのコーディネートで、避難所やさまざまな施設でタッピングタッチをしています。

支援に訪れるインストラクターにとっても初体験、チャレンジの状況もありますが、事前に経験者や専門家に知恵を借りて準備をし、臨機応変に協力して対応しています。

7月に支援に行った4名のインストラクターの報告をお読みください。
過去の活動記録は、活動レポート(ブログ)被災地支援から読めます。

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タッピングタッチでの被災者支援 ~能登半島地震・被災地での活動④~

7月19日(土)、石川県能登町で活動しました。午前は能登就労支援事業所「やなぎだハウス」で体験会を、午後は「特別養護老人ホームこすもす」で職員の方対象の基礎講座Aとご入居者へのケアをしました。
今回は、仙台の猿渡英代子さん、兵庫の井上志保美さん、大阪の平由佳さんと、神戸の鈴木の4名で伺いました。能登福祉救援ボランティアネットワークの後藤さんがコーディネーターとして全面的にサポートしてくださいました。

  現在のやなぎだハウス

★「やなぎだハウス」について
やなぎだハウスさんは、今回の地震で施設が大きく傷み、利用者の方もご自宅が全壊するなど、大変な被害を受けたそうです。ろう者や難聴者の方をはじめ、何らか障がいをおもちの方が利用されていると伺って、ケアタッピングさせていただくことを考えていましたが、所長と打ち合わせできる機会があり、体験会をすることになりました。
施設は修復され作業も再開されていますが、今回は近くの公民館の一室を借りてくださり、ご利用者8名、職員の方3名、ボランティアの方2名(内1名はタッピングタッチの経験のある方で、体験会のサポートに来てくださいました)が参加されました。「5ステップ腕だけ散歩」と「基本形」、最後に「セルフタッピング」も体験していただくことができました。
音楽が聞こえない方がおられること、手話でのコミュニケーションが必要なこと等、どんな風に進めたらいいだろうか…と思っていましたが、事前にアドバイスをいただき、「視覚で補えるもの」として、進行が分かるような大きな紙を準備し、タッチのリズムはメトロノームのアプリを使ってみました。

★「特別養護老人ホームこすもす」について
こすもすさんは、ご入居者88名(特例入所者8名含む)と約30名のショートステイのご利用者が4フロアに分かれて生活されていました。
タッピングタッチのケアを今後のご利用者への関わり合いに活かしたいという希望をお伺いしていたので、前半をスタッフさん中心の基礎講座Aにし、後半をご利用者へのケアの時間にしました。講座には16名ほど参加され、講座後、フロアで私たちは18名ほどの方をケアさせていただきました。

では、活動された皆さんの感想をお伝えします。

<猿渡さんより>
今回、はじめて宮城県仙台市から参加しました。東日本大震災で多くの方々にご支援をいただき、いつか恩返しできればと思っておりました。午前中は、聴覚障がいの方もいらっしゃると伺っていた「やなぎだハウス」の皆様と公民館でタッピングタッチをやらせていただきました。鈴木さんが準備したタッピングタッチの資料は皆さんに分かりやすく、見ながらされている人もいました。
私は、床に座っていた一人の女性が気になり、声をかけ、ゆっくりタッピングをさせていただきました。少し聞こえていらっしゃったようで、もっとやって欲しいところはありませんか?という声かけに「肩」「首」など単語ではありましたがしっかりお返事いただいたのが嬉しく、またその存在を愛おしいものだと感じました。最後に「ありがとう」「またやって欲しい」と言葉をいただき、ああ気持ちよい体験をしてもらったのだなと安心しました。

午後は「特養こすもす」で職員の方々への研修のお手伝いをさせていただきました。さすが日頃ケアをされている専門職の皆さんですから、自然と二人1組になりタッピングタッチをしていました。そこで「ああ、〇〇さんにやってあげたいね」「〇〇さん、寝られないって言っていたからどうだろう?」と入居者の方をイメージしていただけたのは嬉しかったです。そして、職員の皆さんも気持ちよくなり「横になってやったらもっと気持ちいいね」とさらにお話しされていたのが印象的でした。

その後各フロアに伺い、4名の方にさせていただきました。感想が「あっさりしていいね」と言われ、タッチが弱すぎるのかと心配したら「スッキリする」「ほっとする」という意味だということを職員さんに教えていただきました。能登方言だそうで新鮮でした。
和やかな雰囲気、笑顔や笑い声が絶えないタッピングタッチでした。

<井上さんより>
私は今回の能登半島のボランティアに高齢者にもかかわらず、直ぐに参加を希望しました。阪神淡路大震災には神戸市東灘区に引越して7か月目に遭遇しました。震災後は数年間復興住宅の相談窓口にいました。震災での辛さや不安や住宅の相談などを聞いていました。

訪問先の「やなぎだハウス」では手話が出来ないと…と思いYouTubeを見て練習しましたが、覚えられずにいました。行ってみると、皆さん手話の出来ない私にも表情で会話して下さいました。
ゆっくり やさしく ていねいに の基本でタッピングタッチをしてみると、タッピングタッチを感じて下さったように思えました。
帰り際、1対1で会話しようとされた方に、通訳の方から「手話出来なくてごめんなさい」と伝えてもらいました。笑顔で「ありがとう」と手話で言って下さった、その笑顔が忘れられません。

「特養こすもす」では実母が特養に入所していましたので、雰囲気は分かっていました。
若いスタッフさん達の楽しそうな笑顔。今までの体験会、講座とは違った講座でした。
その後、入所の方5人にタッピングタッチをしました。
最初の男性は「吸い込まれるようだ。気持ち良かった」と言って下さいました。他の女性は「気持ち良かった。また来てね」と言っておられました。名残惜しく手を握ったままの方もおられました。ほとんどの方は途中居眠りされていました。

今回「やなぎだハウス」や「特養こすもす」で、今まで経験したことのない方達にタッピングタッチをさせていただきましたが、心の中から癒されて欲しいと思いながら、私自身癒されていました。
気持ち的に充実感があり、その後、疲れも出ず過ごせました。良い機会を与えていただき感謝します。

<平さんより>
今回「やなぎだハウス」と「特養こすもす」の職員さん、利用者のみなさんにお会いし、いちばん感じたことは「人(仲間)とのつながり」や「よりどころ」の大切さ、そして職員さんの心身の健康の大切さでした。

「やなぎだハウス」のみなさんは明るい大家族のような、なごやかな雰囲気で、互いに笑顔で楽しそうにタッピングタッチに参加してくださいました。被災され、半年以上も大変な避難生活を過ごされてきているなかで、ここは仲間と一緒に作業したり、気持ちを分かち合ったりできる場で、また戻ってこられた安心感がある、生活面でも心理面でも支えになる「よりどころ」なのだろうなと感じました。所長さん、支援員さん、県の聴覚障害者協会の平時からの活動と、地震発生後には安否確認したり、孤立しないように同じ避難所に集めたり、早期に「やなぎだハウス」の復旧にご尽力されたことなどを知って感銘をうけました。

「こすもす」の職員さんへの講座では、みなさんすぐに、とても上手にタッピングタッチされていて、さすがでした!職員さん自身も被災され、先日ようやく仮設住宅に入れたばかりという話や、離職しなければならなかった方も多かったため、まだ人員不足が続いていて、疲弊から、みんなイライラしていた時期もあったという話もうかがいました。

どちらの事業所も職員さんの心身の健康あってこそ、なので今回お伝えしたタッピングタッチをみなさんたち自身でケアやコミュニケーションにぜひ役立ててほしいなと思います。そして私自身も、被災地支援でタッピングタッチがどんな風に活用できるのか、効果があるのか、そのポテンシャルに期待しているところです。

<最後に>
今回、嬉しかったのは、どちらの施設でも、お互いにしあってもらうことができたことです。

「特養こすもす」では、講座のあと、スタッフさんが私たちと一緒に利用者の方にタッピングタッチのケアをされました。ウトウトと気持ち良さそうにされている様子や、「気持ちよかった」と笑顔で話される場面を共にすることができ、継続と広がりの可能性を感じました。また、自然に始められたスタッフの皆さんの柔軟性と吸収力には、すごいなぁと感動しました。

鈴木貴子(神戸、インストラクター)

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みんなの経験と知恵と希望を共有「タッピングタッチ種まきの集い」

2024/07/30インストラクターより

毎月第1土曜日開催の「タッピングタッチ種まきの集い」は、全国(海外からも)のインストラクターと会員さんがオンラインで気軽に集い、タッピングタッチを一緒に行ってリラックスして、ざっくばらんに、和気あいあいと近況報告や意見交換を行っています。
リラックス、癒しの場でもあり、学び、ブラッシュアップの場にもなっています。

7月のファシリテーターを担当した名古屋のインストラクター渡辺英明さんの報告・感想を紹介します。
 
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【タッピングタッチ種まきの集い】
7月6日土曜日の午前中は、毎月オンライン開催されている「タッピングタッチ種まきの集い」のファシリテーターを務めさせていただきました。
愛知、大阪、島根、大分、そして、メルボルンから5人のインストラクターや会員さんに、タッピングタツチ協会事務局長の祥子さん、代表の一音さんこと中川一郎さんが加わって開催されました。
この会は、腕だけ散歩、セルフタッピングを挟みながら、自由に語り合えるのが魅力の気楽な会です。
テーマは決めてないからこそ、参加者のナラティブ(物語)が聴けること、そこからの話題で広がりや深まりがあるグループダイナミクスが味わえる点で、私はこの会が好きです。
結局今日の統一テーマは、「草の根の繋がり」だったように思います。
これからもできる限り参加したいです。

渡辺英明(認定インストラクター・愛知)

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アンケートからも、紹介します。

「タッピングタッチ種まきの集い」という名前の通り、参加された方々がいろいろな所で種まきをされている様子を聞かせていただけました。どのようにしたら伝わりやすいか、楽しく伝えることが出来るのか等々、様々な工夫をされ、実践されていて、皆さん凄い!です。前向きな力強さや逞しさ、タッピングタッチへの情熱を感じ、同じことの繰り返しになってしまっている私は、とても刺激を受けました。
5ステップ腕だけ散歩をリードする時の言葉かけや、ひと呼吸の入れ方等、一音さんからアドバイスも聞けて、自己流になってしまっていたなあ、もっと丁寧にやらなくては、と気づかせていただけました。椅子に座っての5ステップ腕だけ散歩も、一音さんや経験豊富なインストラクターの方の実践を聞かせていただけ、5ステップだけ散歩の可能性が広がり、よい学びになりました。 最近研修も受けてなく、皆さんの種まきの実践もお聞きすることがなかったのですが、今日のこの会に参加して、反省するとともに、一音さんのお話や指導を受けること、今日のように皆さんとの交流は、とても大切だと実感しました。
参加して本当に良かったです。ありがとうございました。
 
次回は、9月7日(土)です。ー>詳細・申込はイベントカレンダーをご覧ください。
タッピングタッチの会員であれば、誰でも参加できます。
会員になりたい方は、ねこあしショップにて入会の手続きができます。

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