活動レポート(ブログ)

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12月の能登へ、手のぬくもりを届ける~能登半島地震・被災地での活動⑥~

2026/01/22インストラクターより

能登半島地震から二年が経ちました。
神戸のインストラクター鈴木貴子さんの呼びかけと、能登福祉救援ボランティアネットワークさんのご協力のもと、タッピングタッチ協会は能登への支援を重ねてきました。
2025年12月には、歳末の“おすそわけ”活動とともにタッピングタッチの温かい手を届けてきました。
震災後はじめて能登を訪れるメンバーも加わり、それぞれが「今の能登、そして人」と出会う一日となりました。

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タッピングタッチでの被災者支援~能登半島地震・被災地での活動⑥~

12月7日(日)、石川県輪島市門前町の道下(とうげ)仮設住宅で活動しました。今回も、能登福祉救援ボランティアネットワークさんにコーディネートいただき、「歳末の『おすそわけ』活動」で各戸を訪問される際、同行してお声かけし、タッピングタッチをさせていただきました。訪問したインストラクターは、横浜の村木雄一さん、静岡の白鳥志保さん、長野の渡邉冨美恵さん、奈良の松岡俊子さんと神戸の鈴木の5名。みんなで40名の方へケアできました。

=当日の様子=
朝、金沢駅で集合し、レンタカーを借りて9:00前に出発。輪島までは約2時間かかります。行きは白鳥さん、帰りは村木さんが運転してくださいました。11:00頃、現地に到着すると、地元の赤坂さんとボランティアネットワークの皆さんがすでに全国から届いた寄付物品(TTフレンドシップin福岡・山口の清水さんが送られたクッキーもありました!)を仕分け作業中。私たちも一緒に仕分けや袋詰めのお手伝いしました。ここは300戸が並ぶ大規模仮設ですが、すでに30戸ほどは退出しているとのことで270戸分作りました。270戸分のおすそ分け袋を並べたら壮観!でした。
昼食は、仮設住宅のなかにあるコミュニティセンター(コミセン門前BASE)でとりました。ここには食堂や銭湯があるんです。
そして13:30頃から5チームに分かれて各戸にお届け。私たちは一人ずつチームに入って活動しました。16:00すぎに一通り訪問を済ませ、全体で活動を集約。その後、私たちはすぐに出発し、その日のうちに金沢を離れました。

=活動されたインストラクターさん=
<村木さんより>
あっという間の1日間でした。朝、新幹線に乗り、うとうとして気が付いたら長野付近を走っていて、都会とは違う風景に、別の世界に来ているんじゃないかと感じました。 仮設住宅でのタッピングタッチ。全国からの支援の品物を各家にお配りするボランティアさんの後ろから一言、「今日は、お背中にトントンするタッピングタッチもさせてもらっています。」と声をかけ、きっぱり断られる方以外の方には、背中を貸してもらいました。
住宅には、外扉と内扉の間の90センチくらいのスペースがあり、そこに、鈴木さんが用意してくれた椅子を置き、背中を玄関方向に向けて座っていただきました。 
突然やって来て、背中をトントンさせてほしいと言われ、きっと、何のことやらわからなかったと思います。そのような中、病床に伏していた兄の足に手を添えたら、とても喜んでくれた経験があるというご婦人に、家の中にまでいれていただきました。まずはご主人にタッピングをなどさせていただきました。終わり近くになったところで、突然ご主人が立ち上がってしまい、何かしてしまったかなと思っていたら、奥さんに「やってもらえ」という交替の合図でした。奥さんへもタッピングをさせていただき、玄関口で挨拶をしたのですが、住んでいた家を壊すことが決まり、いろいろなことがあったことなど話してくれました。

今回のタッピングタッチの旅は空間移動したようで、日曜日は能登にいたのに、月曜の朝にはまた横浜での毎日が始まっています。 
「行かなくてはわからない」のはそのとおりです、が、行ったからって、仮設住宅の生活のことは何もわかっていないかもしれません。でも、タッピングタッチがあるから、そこに行け、そこに住む(住まざるを得なかった)人から、話を聞かせていただけたと思います。朝行って、夕方帰るそんなこともできることを分かった以上、また、行かせていただきたいです。 

私たち5人で40人の背中をトントンさせてもらいました。限られた時間の中、トントンしながら、もっと、もっとコミュニティセンター門前町の方の話を聞ければ、よかったなぁと思い返しています。
記念に、「NOTO NOT ALONE 能登は、ひとりじゃない」のステッカーを購入してきました。 わずかな出会いの時間しかないとしても、空間を行ったり来たりしながら、NOTOの方々の気持ちに寄り添いたいと感じました。 

<白鳥さんより>
仮設住宅で暮らしていらっしゃる方々に、タッピングタッチだけでなく、お届けするもの(食材や生活用品、メッセージカード)を準備させていただく活動に参加させていただけたことが、とてもありがたく、感慨深かったです。全国から想いを寄せている方がたくさんいること、そのお気持ちをお繋ぎしていくお役目をいただけたことに感謝しています。

一軒一軒、仮設住宅のお住まいを訪問しながら、タッピングタッチのことをお伝えすると、「中に入ってね。」と言っていただけることが多く、ありがたくお部屋に通していただき、日々の暮らしに触れさせていただきながらタッピングタッチをする機会に恵まれました。「心地よい音楽もかけていいでしょうか?」とお尋ねすると、みなさん「ぜひお願いします」と言ってくださり、やさしい響きを感じながら、わたしもタッピングタッチすることができました。(訪問させていただく時期や関係性にもよるのだと思いますが)当時の体験よりも、いま、感じていらっしゃる不安を言葉にされる方が多く、ご自身のこと、ご家族のこと、日々の暮らしの様子を次々と止まらないくらいお話してくださる様子が印象的でした。途中で次のお宅に移動することをお伝えすることがためらわれるくらい、たくさんことをお伝えいただけて、もっとお話しうかがいたかったなと思いました。 
「タッピングタッチ、終わっていきますね」と、背中に両手を添えて共に在ることを感じながらお伝えすると、皆様「ありがとう。ありがとう。」と何度も何度もおっしゃってくださいました。いただいたお気持ちがあたたかくて、そのようなお言葉をいただくのが申し訳ない感じもしてしまいました。笑顔で玄関先でお見送りまでしていただき、「また来させてください」と言っている自分がいました。 

初めてお会いするインストラクターさんとの出会いもうれしかったです。車で移動しながら日々の活動や感じていることをやさしくシェアし合えた時間がとても幸せでした。そして、一緒に仮設住宅内にあるあたたかな雰囲気の食堂で美味しいラーメンをみんなで食べたことも、じーんと心に残る体験でした。 仲間との繋がりと支え合いそのものがタッピングタッチだということをあらためて感謝と共に感じました。言葉にすることができないほど、感慨深い体験でした。

<渡邉さんより>
昨年夏に能登町の「グループホームなかよし」でのボランティアに参加させていただいて以来、今回は輪島市門前町(能登半島では前回は東側、今回は西側の海に近い地)道下の仮設住宅におけるボランティア活動に参加させていただきました。 「グループホームなかよし」での活動支援のブログは=>こちら

昔、観光で訪れた海岸沿いの道路を車で向かう時は海がとてもきれいで、何も変わっていないかのようにも思えます。しかし、目的の仮設住宅に到着すると、約 300 世帯にまだ 9 割が住まわれているという現状に重く、悲しい気持ちになりました(その気持ちは後に変わっていくのですが)。
仮設の中にある集会所には多くの支援物資が山済みで、能登福祉救援ボランティアネットワークの皆さんとともに「おすそわけ」の品々の準備作業をご一緒し、とても大変な作業だと実感しながら、しかし私には初めての体験で、集まった「まごころ」をお届けできることが、だんだん嬉しく思えてきました。

午後になり、それぞれグループに分かれて、私たちインストラクター5名もバラバラになり(また今回も少し不安な私でした)各戸を訪問しました。ボランティアネットワークの「おすそわけ」をお渡しするお声がけが、とても優しく思いやりに満ちていることに感動しつつ、その中で私をご紹介くださって、まずはご挨拶。鈴木さんが用意してくださった簡易椅子を片手に、タッピングタッチのパンフレットをお渡ししながら、中にある手順の図を示し「心とお体がほっこりするケアなのですが、いかがでしょうか」とお声がけしました。
「おすそわけ」配布のお手伝いもしつつ、5人の方が受け入れてくださいました(他の4人の半分くらい!?実は終わってから、ずっと凹んでおりました…)。

50代くらいから 90 歳の女性の方たち。お二人は玄関口で、他の方は「中へどうぞ」と快くお部屋に招き入れてくださいました。 こんな見ず知らずの私をやさしくあたたかく迎え入れてくださることが、最初はなんだか不思議でした。あとで思ったのは、お人柄、土地柄もあるのかもしれませんが、これまでボランティアなどでここに訪れた多くの皆さんが心を込めた支援をずっと続けてこられた結果、住民の皆さんの中に信じる気持ちがあるからなのだろうと想像しました。
タッピングタッチの間、仮設での生活のこと、お体のこと、ご家族のこと、今のお気持ちなど、背中越しにいろいろ話してくださり「暖かくなったよ、ありがとう」と言って下さるお気持ちが大変ありがたく、これまでの体験や思いが垣間見えて、でもそれは想像しきれなく、それが申し訳なくて、今も思い出すと涙が出ます。自分ではなにもできないのに、これで終わりではいけないような気持ちになってしまいました。「こんなこと(タッピングタッチ)をやる人たちが来たよね」と、体験された皆さんの心に残ってくれたなら嬉しいです。

この地で頑張っていらっしゃるスタッフの方たち、ボランティアメンバーの皆さんにも、タッピングタッチを体験していただきたかったのですが、時間がなく、それが心残りです。でも何よりも 後藤さん、鈴木さんのご尽力で、このような貴重な経験をさせていただいたことに感謝しかありません。今回出会えたすべての皆さん、本当にありがとうございました。
“能登でふんばる!” 能登が、輪島が好きで、今を大切に生活されている皆さんに またお会いできる日が来ることを願っています。 

<松岡さんより>
まずは風邪をひかずに当日を迎えられ、自分としての第一関門、肩の荷がおりました。金沢に集合するなり、初対面のメンバーとも「5人揃えたこと!」を喜び合い、勇気100倍のチーム力をいただきました。  

現地での、前半は、支援物資の仕分けに加わらせて頂き、手応えのある実労を有難く思いました。
後半、タッピングタッチの訪問については正直、不安がありました。果たして突然、仮設住宅を個別訪問し受け入れて頂けるのか? たぶん充分な説明の時間もとれないまま…。不審者かもです。そんな中、「フレキシブルな対応でいきましょう」という鈴木さんの言葉と、地元ボランティアコーディネーターの方の差し入れ、声かけの後押しでお伺いし始めると、何と!ほとんど空き時間もなくタッピングタッチのオファーを受け続けることになりました。 

タッピングタッチの最中に、お向かいさんが様子を見に入ってこられ「うちへも来て」とセルフオファーも成立し「これから、し合いっこしよう」とお二人が盛り上がり。ご夫婦で体験下さったお宅は、「明日からお父さんにしてもらおう象の鼻!」と、お母さんが腰をさすれば、お父さんも満面の笑顔。 
皆さんが言われたのは「楽になった」「気持ちいい、何で?」「フシギフシギな感じ~すごい」等など。そして一番多くの言葉を頂いたのは、終わりのご挨拶で背中に両掌を置いた時『あったかい』と。寒さで、私の手を冷たく感じないかの心配も杞憂に終わりました。

そして今回は、個別対応だった分、短時間ながら~皆さま自然と色々なお話をされ傾聴させて頂く機会にもなりました。地震時の話、身体の調子、住宅環境、食べ物の変化、以前の能登の話 等など。でもそれが怒りや苦情といった強い投げかけのものでなく、ただ淡々と語られていて逆に「強さ」みたいなものを感じました。高齢でお一人での入居の方が多かったですが、皆さま凛とされていて頭が下がります。別れ際、きんつばや、柿を私のポケットに入れて下さった方々。寒空に、ジャンパーのポケットがぷっくりとふくれました。 大した事は何も出来ていなくて、「ぬくもり」を届けに行ったはずが、こちらこそ沢山の「ぬくもり」にまみれて戻って参りました。能登の海の大きなオレンジの夕陽が忘れられません。こうした貴重な機会を頂き、関係各位の皆さまに心から感謝申し上げます。 

=さいごに…=
訪問して『おすそわけ』の品をお渡ししながら、タッピングタッチもさせていただく。でも、ケアさせていただくのには時間がかかるし、その辺はどうしたらうまくいくかな…と心配していましたが、ボランティアネットワークの皆さんのご協力もあり、声を掛け合って、2時間半ほどで40名もの方に体験していただけたのは予想以上のことでした。午前中はパラついていた雨も止み、天候にも恵まれました。

お宅に伺って、どんな風にタッピングタッチのお誘いをするか。
皆さん、いろいろ考えてきてくださったのだと思います。私は「ちょっと疲れがとれる、簡単なケア、今すぐ、ここでできます!」というパターンが一番よかったような(笑)。
ケアしている間はいろいろなお話を聴きました。「もう頑張るのはやめた。あきらめた」「何もすることがないから、ずっと寝てるんだよ」「当たり前が当たり前じゃないって、今、本当に思う」…。つらい言葉をうかがった時も、タッチし終わった後「わぁ、手が温かくなったよ」「背中がほかほかする」と明るい声で話され、私の目をじっと見て、優しい表情をしてくださる、その姿が目に焼き付いています。

訪問した翌日、青森県東方沖で大きな地震がありました。大地の大きな変化に私たちはなすすべがありませんが、起こった後もそこで力強く生きていくための何か。疲れた体と心を癒すための小さなお手伝いが、タッピングタッチというケアを通じて、これからもしていければ、と思います。

(神戸・鈴木貴子 認定インストラクター)

 

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ふくしまこころのケアセンター機関誌『ふくここのわ』

2024/11/07インストラクターより

ふくここのわ vol9 p4,5

福島県より事業委託を受けた「ふくしまこころのケアセンター」が発行する機関誌『ふくここのわ』で、タッピングタッチが紹介されました。福島県インストラクターの渡部恵美子さんが、とてもわかりやすく説明してくれています。

『ふくここのわ』 fukukokonowa_vol9
一般社団法人 福島県精神保健福祉協会「ふくしまこころのケアセンター」ー>https://kokoro-fukushima.org/

 

 

 

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心のケアの方法も備えておこう~能登半島地震・被災地での活動⑤~

2024/08/27インストラクターより

3月から5回にわたり、能登半島のグループホームや避難所、障がいを持つ方の就労支援事業所や特別養護老人ホーム、お風呂屋さんでの大学主催のイベントなど多岐にわたる場所でインストラクターがタッピングタッチによる支援をしてきました。被災地支援ー>https://www.tappingtouch.org/?tag=disasteraid

能登半島の被災地の復興が進まないなか、今度は宮崎県日向沖で震度6の地震が起こり、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」呼びかけもあり(現在は終了)、不安になった方も多いと思います。そういうときもタッピングタッチをしましょう。心が落ち着きます。一緒にタッピングタッチができる体験会が、全国(オンライン含む)で開催されています。
基礎講座セルフケアプログラムの受講もおすすめです。

子どもたちも不安を抱えています。ニュースや大人の反応に敏感です。
親子で安心の時間をもちたいですね♡
ぜひ、
タッピングタッチで家族のじかん」をご活用ください。

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タッピングタッチでの被災者支援~能登半島地震・被災地での活動⑤~

8月10日(土)、石川県能登町の「グループホームなかよし」(2ユニット・入居者18名・認知症対応型共同生活介護)で活動しました。ご入居者と職員の方々にタッピングタッチのケアをしました。
この日は、山口の橋村雅子さん、長野の渡邉冨美恵さん、大分の山下誠二さん、大阪の平由佳さんと、神戸の鈴木の5名で伺い、今回も能登福祉救援ボランティアネットワークの後藤さんがコーディネーターとして全面的にサポートしてくださいました。

<準備のこと>
「グループホームなかよし」さんは震災で建物が使えなくなり、発災初日から、同系列の障害者施設の多目的ホールに避難されていました。新築の施設がこの度完成し、前週にお引っ越しされたところでしたので、コーディネーターの後藤さんから「何かサプライズでお祝いできれば!」と声をかけていただき、バルーンアートで花束をプレゼントすることに。また、ご入居者のお部屋に「彩りを添えられたら」とお一人ずつに小さなお花のバルーンを作りました。5名のインストラクターは当日の朝に金沢駅で集合したため、事前にみんなで作業することはできませんでしたが、現地まで2時間30分ほどの車中を活用して、最後の仕上げを一緒にしていただきました。

風船の花束は珍しかったようで、男性のご入居者が近くでじっくりと眺めておられました。「いいねぇ、すごいねぇ、これは作るのにどのくらいかかるの?」等、ニコニコと話しかけてくださり、会話も弾みました。お一人ずつのお花のバルーンは、職員さんがていねいに「どの色にする?」とご入居者に声をかけてくださっているのがとても嬉しかったです。

では、活動された皆さんの感想をお伝えします。

<橋村さんより>
今回、訪問させていただきました所は、被災で仮住まい、そして新居に引っ越しされたところでした。
そして帰りには輪島地区で大規模な火災のあった朝市通りにも寄せさせていただくこともできました。とても心痛むものでしたが、施設の皆さまからも被災状況からも共に、沢山の学びをいただくことができ貴重な体験となりました。
 
入居者さんからは「あったかいね~」「気持ちいいね~」「あなたも疲れるでしょう♡少し休みなさい」「ありがとうね」と、私たちをねぎらう声かけや温かい言葉を沢山かけていただきました。また見よう見まねで、私たちと一緒に職員の方からも入居者さんに触れていただくこともでき、たちまち和やかな雰囲気に♡終始笑顔が絶えませんでした。
何よりも最高だったのは、ほぼ全員の職員の方一人ひとりに、ゆっくり時間をかけてタッピングタッチを体験してもらうことができたことです。この7ヵ月間、ご自身のこともあるだろうに入居者のため奮闘され、心身ともに疲労困憊の状態だったとお察しする皆さんに、タッピングタッチの温かさを身体中に感じてもらったことです。 「あっさりした~(すっきりした~・かるくなった~の意)」「なにこれ~不思議~!身体の痛みが和らいだ~楽になった~」「ずっと触っていて欲しい~」と口々に 言っていただき笑顔が絶えませんでした。
「これからレクに取り入れたらいいね」「職員同士、皆でし合おう」とも。
そんな中、「疲れていらっしゃるんだなぁ」と30分間もさせていただいた方から手を止めることへの後ろ髪を引かれるような思い、手の感触、忘れられません。その職員の方とはハグをして施設を後にしました。

今回の体験は、こちらが幸せをいただきに行ったようでした。「巨大地震注意」発表の最中、誰しもいつ何が起こるかわかりません。何があってもお互い助け合いながら 生き抜くパワーもいただきました。

<渡邉さんより>
私の住む長野県と石川県は、北信越5県に含まれていて、2015年には北陸新幹線でつながったこともあり、距離は遠くても近しい気持ちがありました。今年の元旦に大きな地震があってから、ずっと能登で支援ができないかと思っていたのですが、タッピングタッチのボランティア活動が始まったと知り、あまり活動をしていない私ですが参加をお願いしました。

最近できたばかりの新しく快適な施設に伺いました。今に至るまで、どれだけ大変な環境だったか、職員の皆さんがどれだけ頑張っていらっしゃったか、ここからは想像ができません。入居者の方たちは様々な状態で、中には表情が乏しく言葉もなかなか発しない、ひじ掛け付きの椅子でないと座位が不安定な方も何人かいらっしゃいました。
地域の傾聴ボランティアでグループホームには何度も来訪していたので、タッピングタッチをどんな形で行えばいいのか、実はずっと心配でした。到着して、さあ始めましょう!という時、私は思った通り、椅子のセッティングから戸惑ってしまいました。「できる範囲で、できる部分に、少しでもゆったりした穏やかな時間を」という思いで、何人かの入居者の方たちにおこなって、2人のスタッフさんにも行いました。

お一人のスタッフの方は、先日交通事故で後ろから追突され首回りが不調だとおっしゃっていて、それは改善できないにしても、おこなっている間ずっとウトウトされていたので、その時間だけでも少し楽になって気持ちも休めたのでは、と思いました。
最後に98歳の女性の方からは震災当初のお話をお聴きしました。その時はその方の横に居て、お顔を見つつ両肩をタッチしながらの、ほぼ「傾聴ボランティア」になっていましたが、お許しください。「大変だったけれど今ここに居られてとてもありがたい」とその方はずっと笑顔でした。
今回グループホームでタッピングタッチを行わせていただいて、私の中ではいくつかの反省と共に、課題ができました。様々な状況にある高齢者の方たちにもこのような時間を大切にしていただけたらと思います。

輪島地区への視察では、変わり果てた火事の爪痕、潰れた建物、途中の崩れた山肌と道路、見ているだけの自分は何もできないことを突きつけられている現状でした。

<山下さんより>
6月珠洲市あみだ湯様での活動(佛教大学主催イベントでタッピングタッチ~能登半島地震・被災地での活動③~)に続き、能登被災地でのタッピングタッチボランティアに再度参加させていただきました。今回はご入居者5名、職員1名にタッピングタッチをさせていただきました。

<平さんより>
今回の訪問では、スタッフさんたちにもゆっくりとタッピングタッチをうける体験をしてもらうことができました。トントンしながら、地震発生から約7ヶ月間、他の施設のホールを借りての、ご入居者との避難生活やケアの大変さ、ご自身の自宅の被災のことなど、お話をうかがいました。心身ともギリギリの状態がつづいていたのだろうと感じ、労う言葉をさがしながらタッピングタッチさせていただき「あっさりした~(能登の方言でスッキリしたという意味)」といってもらえたときは、ほっとしました。
私の実家の父(95歳)が、最近、高齢者施設に入所したばかりなので、利用者家族の立場も重なって、みなさんが、被災の困難を乗り越えて、今元気でいらっしゃることが本当にありがたい気持ちでいっぱいでした。

7月、8月と高齢者や障がい者施設を訪問し、改めて災害時の被災地への専門職の派遣や、ケアに必要な物資の支援がとても重要なことがわかりました。
また、どの施設の管理者さんや職員さんも、能登福祉救援ボランティアネットワークのコーディネーターさんをとても信頼されてお話しされている様子を見て、現場の状況やニーズをよく聞いて、見て、関係性をつくりながらサポートすることや、継続して支援できるネットワークの存在の大切さを学びました。そのベースの支援活動や信頼関係のうえで、私たちのタッピングタッチも効果的にさせていただけたのだなと思い感謝しています。

<さいごに>
3月、5月、6月、7月、8月と5回にわたり、能登半島地震の被災地にお伺いしてタッピングタッチのケアをお届けしてきました。毎回違う場所で、違う対象の方々にケアをしました。
お一人ずつに基本形をさせてもらったり、体験会にしたり、基礎講座Aをしたり。タッピングタッチが、どんな場所でも、どんな方へも、どんな場面にも活用できるということを実感できる経験でした。

「被災地の方に何かしたい」という思いで、全国からインストラクターさんがご連絡くださって、12名(延べ19名)の方が活動されました。金沢駅で初対面という方もたくさんいらっしゃいましたが、皆さん「思いはひとつ」、協力しあって良い時間を作ってくださいました。
「ぜひ参加したい」とご連絡いただいたにもかかわらず、日程等があわず、ご参加いただけなかった方も多くおられました。

今回、私たちが活動できたのは、能登福祉救援ボランティアネットワークの方々が発災直後から被災地に入り、被災地域の皆さんのニーズにきめ細かく対応しておられたからです。訪問先でも全面的にバックアップしていただき、心から感謝申し上げます。

神戸・鈴木貴子

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ろう者・難聴者の方や特別養護老人ホームでの支援~能登半島地震・被災地での活動④~

2024/08/08インストラクターより

3月から始まったタッピングタッチによる能登支援も4回目となりました。能登福祉救援ボランティアネットワークさんのコーディネートで、避難所やさまざまな施設でタッピングタッチをしています。

支援に訪れるインストラクターにとっても初体験、チャレンジの状況もありますが、事前に経験者や専門家に知恵を借りて準備をし、臨機応変に協力して対応しています。

7月に支援に行った4名のインストラクターの報告をお読みください。
過去の活動記録は、活動レポート(ブログ)被災地支援から読めます。

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タッピングタッチでの被災者支援 ~能登半島地震・被災地での活動④~

7月19日(土)、石川県能登町で活動しました。午前は能登就労支援事業所「やなぎだハウス」で体験会を、午後は「特別養護老人ホームこすもす」で職員の方対象の基礎講座Aとご入居者へのケアをしました。
今回は、仙台の猿渡英代子さん、兵庫の井上志保美さん、大阪の平由佳さんと、神戸の鈴木の4名で伺いました。能登福祉救援ボランティアネットワークの後藤さんがコーディネーターとして全面的にサポートしてくださいました。

  現在のやなぎだハウス

★「やなぎだハウス」について
やなぎだハウスさんは、今回の地震で施設が大きく傷み、利用者の方もご自宅が全壊するなど、大変な被害を受けたそうです。ろう者や難聴者の方をはじめ、何らか障がいをおもちの方が利用されていると伺って、ケアタッピングさせていただくことを考えていましたが、所長と打ち合わせできる機会があり、体験会をすることになりました。
施設は修復され作業も再開されていますが、今回は近くの公民館の一室を借りてくださり、ご利用者8名、職員の方3名、ボランティアの方2名(内1名はタッピングタッチの経験のある方で、体験会のサポートに来てくださいました)が参加されました。「5ステップ腕だけ散歩」と「基本形」、最後に「セルフタッピング」も体験していただくことができました。
音楽が聞こえない方がおられること、手話でのコミュニケーションが必要なこと等、どんな風に進めたらいいだろうか…と思っていましたが、事前にアドバイスをいただき、「視覚で補えるもの」として、進行が分かるような大きな紙を準備し、タッチのリズムはメトロノームのアプリを使ってみました。

★「特別養護老人ホームこすもす」について
こすもすさんは、ご入居者88名(特例入所者8名含む)と約30名のショートステイのご利用者が4フロアに分かれて生活されていました。
タッピングタッチのケアを今後のご利用者への関わり合いに活かしたいという希望をお伺いしていたので、前半をスタッフさん中心の基礎講座Aにし、後半をご利用者へのケアの時間にしました。講座には16名ほど参加され、講座後、フロアで私たちは18名ほどの方をケアさせていただきました。

では、活動された皆さんの感想をお伝えします。

<猿渡さんより>
今回、はじめて宮城県仙台市から参加しました。東日本大震災で多くの方々にご支援をいただき、いつか恩返しできればと思っておりました。午前中は、聴覚障がいの方もいらっしゃると伺っていた「やなぎだハウス」の皆様と公民館でタッピングタッチをやらせていただきました。鈴木さんが準備したタッピングタッチの資料は皆さんに分かりやすく、見ながらされている人もいました。
私は、床に座っていた一人の女性が気になり、声をかけ、ゆっくりタッピングをさせていただきました。少し聞こえていらっしゃったようで、もっとやって欲しいところはありませんか?という声かけに「肩」「首」など単語ではありましたがしっかりお返事いただいたのが嬉しく、またその存在を愛おしいものだと感じました。最後に「ありがとう」「またやって欲しい」と言葉をいただき、ああ気持ちよい体験をしてもらったのだなと安心しました。

午後は「特養こすもす」で職員の方々への研修のお手伝いをさせていただきました。さすが日頃ケアをされている専門職の皆さんですから、自然と二人1組になりタッピングタッチをしていました。そこで「ああ、〇〇さんにやってあげたいね」「〇〇さん、寝られないって言っていたからどうだろう?」と入居者の方をイメージしていただけたのは嬉しかったです。そして、職員の皆さんも気持ちよくなり「横になってやったらもっと気持ちいいね」とさらにお話しされていたのが印象的でした。

その後各フロアに伺い、4名の方にさせていただきました。感想が「あっさりしていいね」と言われ、タッチが弱すぎるのかと心配したら「スッキリする」「ほっとする」という意味だということを職員さんに教えていただきました。能登方言だそうで新鮮でした。
和やかな雰囲気、笑顔や笑い声が絶えないタッピングタッチでした。

<井上さんより>
私は今回の能登半島のボランティアに高齢者にもかかわらず、直ぐに参加を希望しました。阪神淡路大震災には神戸市東灘区に引越して7か月目に遭遇しました。震災後は数年間復興住宅の相談窓口にいました。震災での辛さや不安や住宅の相談などを聞いていました。

訪問先の「やなぎだハウス」では手話が出来ないと…と思いYouTubeを見て練習しましたが、覚えられずにいました。行ってみると、皆さん手話の出来ない私にも表情で会話して下さいました。
ゆっくり やさしく ていねいに の基本でタッピングタッチをしてみると、タッピングタッチを感じて下さったように思えました。
帰り際、1対1で会話しようとされた方に、通訳の方から「手話出来なくてごめんなさい」と伝えてもらいました。笑顔で「ありがとう」と手話で言って下さった、その笑顔が忘れられません。

「特養こすもす」では実母が特養に入所していましたので、雰囲気は分かっていました。
若いスタッフさん達の楽しそうな笑顔。今までの体験会、講座とは違った講座でした。
その後、入所の方5人にタッピングタッチをしました。
最初の男性は「吸い込まれるようだ。気持ち良かった」と言って下さいました。他の女性は「気持ち良かった。また来てね」と言っておられました。名残惜しく手を握ったままの方もおられました。ほとんどの方は途中居眠りされていました。

今回「やなぎだハウス」や「特養こすもす」で、今まで経験したことのない方達にタッピングタッチをさせていただきましたが、心の中から癒されて欲しいと思いながら、私自身癒されていました。
気持ち的に充実感があり、その後、疲れも出ず過ごせました。良い機会を与えていただき感謝します。

<平さんより>
今回「やなぎだハウス」と「特養こすもす」の職員さん、利用者のみなさんにお会いし、いちばん感じたことは「人(仲間)とのつながり」や「よりどころ」の大切さ、そして職員さんの心身の健康の大切さでした。

「やなぎだハウス」のみなさんは明るい大家族のような、なごやかな雰囲気で、互いに笑顔で楽しそうにタッピングタッチに参加してくださいました。被災され、半年以上も大変な避難生活を過ごされてきているなかで、ここは仲間と一緒に作業したり、気持ちを分かち合ったりできる場で、また戻ってこられた安心感がある、生活面でも心理面でも支えになる「よりどころ」なのだろうなと感じました。所長さん、支援員さん、県の聴覚障害者協会の平時からの活動と、地震発生後には安否確認したり、孤立しないように同じ避難所に集めたり、早期に「やなぎだハウス」の復旧にご尽力されたことなどを知って感銘をうけました。

「こすもす」の職員さんへの講座では、みなさんすぐに、とても上手にタッピングタッチされていて、さすがでした!職員さん自身も被災され、先日ようやく仮設住宅に入れたばかりという話や、離職しなければならなかった方も多かったため、まだ人員不足が続いていて、疲弊から、みんなイライラしていた時期もあったという話もうかがいました。

どちらの事業所も職員さんの心身の健康あってこそ、なので今回お伝えしたタッピングタッチをみなさんたち自身でケアやコミュニケーションにぜひ役立ててほしいなと思います。そして私自身も、被災地支援でタッピングタッチがどんな風に活用できるのか、効果があるのか、そのポテンシャルに期待しているところです。

<最後に>
今回、嬉しかったのは、どちらの施設でも、お互いにしあってもらうことができたことです。

「特養こすもす」では、講座のあと、スタッフさんが私たちと一緒に利用者の方にタッピングタッチのケアをされました。ウトウトと気持ち良さそうにされている様子や、「気持ちよかった」と笑顔で話される場面を共にすることができ、継続と広がりの可能性を感じました。また、自然に始められたスタッフの皆さんの柔軟性と吸収力には、すごいなぁと感動しました。

鈴木貴子(神戸、インストラクター)

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佛教大学主催イベントでタッピングタッチ~能登半島地震・被災地での活動③~

2024/06/27インストラクターより

佛教大学主催の被災地支援イベントでタッピングタッチによる支援を行った5人のインストラクターの報告をお読みください。
一緒にいることのすばらしさや大切さ、人のあたたかなぬくもりが伝わってきます。

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タッピングタッチでの被災者支援 ~能登半島地震・被災地での活動③~

6月8日(土)、珠洲市野々江町にある「海浜あみだ湯」の駐車場で行われた佛教大学主催の『春のパン祭り』で、5名のインストラクターがタッピングタッチブースを作って活動しました。
このイベントは、佛教大学の学生さんや卒業生、教職員の方々が中心となって、金沢市や奥能登地方にあるパン屋さんから美味しいパンを届けたり、たこ焼きを提供したり、子どもさん向けの工作教室などを企画されたものです。能登福祉救援ボランティアネットワークさんも協力して実施されました。

珠洲市は能登半島の突端にあり、被害が非常に大きかった地域です。発災後、半年近く経過していますが、まだ上下水道が使えない地域もあるとのことでした。場所を提供されたあみだ湯さんは被害部分の修理を急ピッチで行って、なんと1月中旬から営業されているお風呂屋さんです(地下水を利用されています)。私たちは、あみだ湯さんの駐車場の一角と建物内の和室をお借りして、12:30〜15:30の間に、46名ほどの方にケアさせてもらいました。

今回活動したのは、東京の柏崎咲江さん、福岡の清水幸織さん、岡山の中谷優子さん、大分の山下誠二さん、そして神戸の鈴木の5名。朝いちばんに金沢駅に集合し、佛教大学の皆さんのジャンボタクシーに先導してもらい、レンタカーで現地に入りました。山下さん、清水さん、運転ありがとうございました!

それでは、活動された皆さんの感想をお伝えします。

<柏崎さんより>
金沢駅から珠洲市へ向かう道が、復興までまだ時間がかかるであろう様子を見たり、途中の家の倒壊や、見た目はまだ大丈夫そうな家でも赤や黄色の貼り紙で立ち入り禁止になっていたりする様子や、タッピングタッチ後に、案内してくださった地域の被害の大きさを目の当たりにして、胸が苦しくなりました。わずか数時間の滞在の私で、この苦しい感情ですから、現地で日々過ごされている方の心情を考えると、何をどう話して良いのか、、、言葉は出ませんでした。
それでも今回のイベントで、楽しそうに近所の方々とお話しされていたり、嬉しそうにたこ焼きの列に並んでいる方々を見ていて、人間に必要な共存(共に、いる)の力をとても感じました。そして、タッピングタッチの言葉が不要な点の有益さや、「ゆっくり、やさしく、ていねいに」の大切さを私自身が改めて感じました。
タッピングタッチをやらせて頂いた方々の背中が、硬い方が多いのはご本人が意識されているかはわかりませんが、やはり普段はストレスフルで身体が緊張状態なんだろうなぁと思いながらトントンとしていました。

<清水さんより>
3時間という短い時間でしたが、「地震の後から身体中が緊張して、強張って夜も眠れないのよ…」と、話していた女性が「意識が遠くにいってたわぁ」「リラックス出来て気持ち良かったぁ」と言って下さった時には、来て良かったな…と、嬉しく感じました。と同時に、5ヶ月以上の間、本当に心身ともに辛い思いを抱えていたんだなぁ…と、胸がギュッとなる思いでした。
お話をして下さる時に、皆さん笑顔なのです。特にお風呂上がりの笑顔は、最高でした😃その後に、タッピングタッチをさせて頂いて見送る背中に「今夜はゆっくり眠れますよう」と、願わずにはいられませんでした。帰り際、地元のスタッフの方に、津波被害の酷かった地域を案内して頂きました。言葉が見つからない現実。大きな支援は出来ませんが、私も、この活動が続く限り、一緒に能登の皆さんの背中に『ゆっくり やさしく ていねいに』トントンの温かさとハート💗を届けに行きたいと思います。

学生さん達が、レジンをつかったワークショップを子どもたち向けに開いていました。紫外線に当てると硬化するレジンが不思議だったのか、両手を太陽にかざして、まだかなまだかなと、ワクワクしている子どもたちの笑顔がキラキラ✨と輝いていて、見ていて幸せな気持ちになりました。そばで見守る親御さんもニコニコ笑顔😃 子どもたちの目線に合わせるように身を屈めながら、暑い中ずっとワークショップを開いていた学生さん達も、とびっきりの眩しい笑顔。とってもとっても素敵な空間で、私が癒され、元気を貰った能登でのひとときでした。

 

<中谷さんより>
避難所では最初布団もなくて、床にブルーシートを敷いて寝たことをお話ししてくださった方。触れた瞬間、驚いたように「あたたかいわ~」と叫んだ方。濡れ髪のままの中学生くらいの女の子。お風呂上がりに「肩が痛い、腰が痛い」と患部を差し出してこられた方。首と肩がガチガチという若いお父さん。治療ではないことをお話ししつつ、辛いところを丁寧に丁寧にタッチしました。
印象的だったのは、みなさんがとても自然に支援を受け入れているように見えたことです。もちろん、最初からそうだったわけではないかもしれません。お一人お一人の心の内もわかりません。私の勝手な思い込みかもしれません。ただ、能登のみなさんは普段からお互いに「助けたり助けられたり」で生活されてきたのではないかと思いました。助けが必要な時は受ける、自分が助けられる時には助ける。「能登はやさしや土までも」とはそういうことなのかもしれない、と感じました。
実際に現地へ行き、見たり聞いたり感じたり、現地のみなさんと触れあったりしなければわからないことがあると痛感しました。海風が吹き抜けるあみだ湯さんの駐車場で、支援物資やクリーニングされた寝具が山積みの待合所で、まさに同じ空気を吸いながら「いっしょにいる」ことのすばらしさや大切さをこの時ほど強く感じたことはありません。現地への往復で目にした、言葉にすることも難しい風景。ここでみなさん生活されていたのだ、生活されているのだ、生活を取り戻そうとされているのだ・・・。その時は衝撃で呆然とするのみでしたが、帰って来てから涙が溢れてとまりませんでした。

<山下さんより>
金沢駅からあみだ湯に行くまでの2時間半ほどの道中。海沿いのきれいな道で天気も良く被災前は多くの旅行者の往来が想像できた。しかし会場に近づくにつれ、震災による著しい道路の陥没、隆起、潰れた家屋等深刻な被災状況が現れ次第に緊張が高まる。往路は私が運転したが、ジャンボタクシーの先導がなければ、本当に大変だったと思う。
私は8~10人ほどケアした。避難所生活を余儀なくされている人、自宅で生活はできているが外に出なくなった人等、仕事を失って途方に暮れている人、様々な被災者がいたが夜は眠れない日が多く疲れが溜まっているとことだった。「私だけが大変なんじゃない、みんな大変。もっと大変な人もいるからね・・・」と話してくれる。タッピングタッチ後は「ありがとう、気持ちよかった。手温かいんだね」と感想を残してくれた。私が想像していたより、みなさん総じて明るい印象を受けた。
復路にて、地元の方に被害が大きかった地域を案内していただいた。半年近く経過した今でも震災、津波により壊滅した家が続き唖然とした。ここに住んでいた人たちのこれからの生活、メンタルはどうなってしまうのだろうと無力感に襲われたが、今回そのような最中において珠洲の方と出会いタッピングタッチをして差し上げることができて本当によかったと思っている。たいへんな最中に僅かでも癒しの時間を提供できたものと信じているし、被災された方の平穏を祈るばかりである。

〈最後に…〉
小さな子どもさんを連れた女性にタッチさせてもらった後、「やり方を教えてください。子どもにやってあげたい。2階に上がるのを怖がるんです」とおっしゃっていました。
たこ焼きが焼けるのを待つ間、こちらの様子を見ていた高齢の女性。タッチした後「いかがでしたか」と訊くと「こんなにゆっくりできる時ないんや、片付けせなあかんから。久しぶりやった」とぽろりと語って帰られた後ろ姿が忘れられません。

「大分と、福岡と、岡山と、東京と、神戸から来たんですよ~」と言うと、目を丸くして、「まぁ、そんな遠くから!ありがたいなぁ」と明るい笑顔で迎えてくださった男性。おフロ上がりのさっぱりしたところに、さらにタッピングタッチでぽかぽかと温かくなって「汗が出てきたわぁ(笑)」と。「気持ちいいよぉ、やってもらい!」と近くの人にも声をかけてくださっていました。

タッチしている間、珠洲の被害の状況を詳しく教えてくださった方から「市で一番大きなスーパーに津波が来たんだよ」と聞き、帰り道にその前を通りました。大きな建物の外枠だけが残っていました。珠洲市の、この被害の大きさはどのくらい報道されたんだろう。私が観ていなかっただけなのか…。
5月、避難所となっている加賀温泉の旅館で、珠洲市や輪島市から避難されている方々とお話した時、「天気のいい日は車で帰って家の片づけをしている」とおっしゃっていましたが、その道中の、なんと厳しいことか。運転にも注意が必要で、往復するのに6時間近くかかり、いったい現地でどれだけ作業できるんだろう。目の前にして、一緒にいて、話を聴いて、はじめて想像できることがある、と痛感しました。これからも息長く活動していきたいと思います。

鈴木貴子(神戸)

 

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