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ピンチをチャンスに・・・コロナ禍におけるタッピングタッチの3つの飛躍

2021/01/21中川一郎より

「タッピングタッチ種まき通信12月号より」2020年12月発行

 みなさん、お元気ですか? 新型コロナウイルスのワクチンに関する良いニュースも聞こえてきますが、欧米を中心としてまだまだ厳しい状況ですね。国内でも、Go To TravelやGo To Eat で、ちょっと楽しい時間を持ったり、気分転換してほっとしたりしている間に、またしても感染がじわじわと広がっている感じがあります。

 さて、そんな中のタッピングタッチですが、以前のような活動はまだまだですね。めげずに、少人数で感染予防を万全にしながら、講座などの種まきを続けてくださっているインストラクターさんもおられます。そして、TTインストラクターの集いやスタディグループに参加される方も多く活発ですが、実際の活動としてはまだまだ厳しいです。

 コロナの心身の影響に加えて、経済や生活への影響は計り知れないものがあります。人生にはたいへんな時期が何度も訪れるものですが、まさかこのような大きく厳しい状況が訪れるとは思ってもいなかった人がほとんどでしょう。

 でも、「ピンチはチャンス」という言葉があるように、なにか大きな問題にぶち当たった時、大きな改善や飛躍がもたらされることもあります。タッピングタッチに関しても、そのことはとても当てはまると感じています。ここでは、コロナ禍におけるタッピングタッチの飛躍に関して、三つハイライトしてみたいと思います。

「飛躍① より広く、より多くの人に届ける」

 その一つは、オンライン・コミュニケーションの利用によって、より広範囲に、より多くの人にタッピングタッチの種を届けることができるようになったことです。

 前回の種まき通信(2020年8月)の、「コロナ禍において、タッピングタッチは役立つの?」でも書きましたが、タッピングタッチはとてもシンプルで学びやすい為、オンラインでの伝達やコミュニケーションが容易です。その為、活動範囲や選択肢がとても広がりました。これまで会えなかった人達や、アウトリーチできなかった人たちにまでケアを届けることが可能になりました。

 タッピングタッチは、人から人へ、ゆっくり、優しく、ていねいに届けることを大切にしてきました。今もその基本は変わりません。でも、オンラインにタッピングタッチを乗せて届けることができるようになって、距離などの壁がなくなりました。それは、これまでローカルでしか聞けなかった音楽が、ラジオで遠くの多くの人達にとどくようになったことと同じようなものでしょうか。ある意味、画期的なことだと思います。タッピングタッチが、オンラインツールを使って、より多くの人達に役立つことへの窓が開かれた感じです。

 最近の例としては、先月に開催された「オンライン基礎講座A」には、10組ほどの参加があり、北海道や九州からの参加者もおられました。頻度の少ないTTインストラクター養成講座だったりすると、遠方からの参加も珍しくないですが、ふつうの基礎講座ではまずないことです。もちろんオンラインでの講座には、直接に手直しやガイドができないことによる限界もあります。でも言葉での説明を工夫することで、タッピングタッチの基礎と「ゆっくり、やさしく、ていねいにお互いをケアすること」の楽しさや大切さを共有することが出来ました。

「飛躍② セルフケアとしての有用性と効果の再確認」

 そして2つ目、コロナ禍におけるタッピングタッチの飛躍としては、タッピングタッチのセルフケアをフル活用することで、その有効性がより良く見えてきたことです。コロナ禍への適応の一つとして、「タッピングタッチによるセルフケア」を活動の中心にしたことで、その有用性と効果を再確認することになりました。

 最近の試みとしては、先月「タッピングタッチ・セルフケア・プログラム」をおこないました。3回の講座に加えて、2週間のあいだ毎日20分ほどのセルフケアをする、というオンライン・プログラムです。

 20人もの方がとても誠実に、熱心に参加してくださり、とても充実したプログラム(講座)になりました。ご家族のことで途中から参加できなかった方、一人を除いて、みなさん最後まで、そしてその後のフォローアップまで参加してくださいました。心理、福祉、医療などの専門領域でお仕事をされている方も多かったです。

 ここで、参加者のみなさんの感想を少しひろってみたいと思います。「この2週間は、あなたにとってどのような体験でしたか?」への回答です。

●1日に1回は、自分の身体をいたわろうという気持ちを持てた毎日でした。
● 仲間がいることで継続でき、その結果いろんな気づきを得られた貴重な体験だった
● 2週間、毎日日課のように取り組めたこと、ルーチンの苦手な私にとってひとつの成功体験でした。
● 自分を大切にすることを意識づけられる時間だった。物のように扱わずと言う言葉がとても自分に入ってきて楽しみな時間となっていた。
● 自分一人でやろうとすると、忙しい日常の中後回しでできなくなってしまいがちですが、今回は皆さんといっしょでしたので続けることができました。
● タッピングタッチのセルフケアの方法を学ぶことで、自分へのいたわり、ふだんおろそかにしがちな自分の大切な身体を感じることができました。
● 自分と向き合い、自分の身体を感じ愛おしむ気持ちが芽生えました。

 これらの感想からは、① 2週間というスケジュールによって、日課のようになり続けることが出来たこと、② 他の人と一緒に参加することで、励ましになったこと、そして、③自分自身をいたわり、大切にするという体験が新鮮だったこと、などが含まれています。

 タッピングタッチの基本は、基本形です。お互いをケアする。このことを基礎としたホリスティック(統合的)ケアです。今も変わりはありません。でも、私にとっても、セルフケアとタッピングタッチの有効性が確認できた大切な機会になりました。効果研究も兼ねていたので、リサーチ結果などはまたの機会にお知らせしたいと思います。

 現代は、コロナのことを含めてストレス社会です。そして一人住まいだったり、してもらう人がいなかったりする人が多いのも現実です。そんな中、自分自身を大切にする時間をとり、セルフケアできることは重要です。子ども達もつらい時に自分自身をケアし大切にするスキルと感性を身に着けることが、とても大切です。これまでお互いをケアする基本型に重点を置くことで、セルフケアの方法がおろそかになりがちでしたが、大切にしていきたいと思います。

「飛躍③ コロナ禍の日常におけるお互いのケア」

 最後に、ピンチが飛躍につながるということの3つ目は、もっと本質的なことに繋がるように思います。安心して誰でも身近にできるタッピングタッチは、人と一緒にいたり、触れたりすることを自粛する社会において、とても役立つものであるということです。

 触れることやケアし合うことが中心のタッピングタッチは、この時代に役立たないのではと感じたときもありました。でも、その思いもしばらくすると払拭されました。コロナによって心の余裕がなくなり、関係性や相互支援が希薄になるなか、お互いをケアすることを基礎としたタッピングタッチの有用性が浮き彫りになってきたからです。

 これまでも、日本の人々の関係性の希薄さは気になっていましたが、このコロナ騒動でより深刻になっているように思います。コロナで私たちはソーシャルディスタンスをしいられ、マスクで顔を覆わなければならなく成りました。コロナの感染予防にはとても大切ですが、同時に人とのつながりや関係を奪われているかのようです。孤独な人はより孤独に、そして病気や支援の必要な人に手が届きにくくなっています。

 子ども達は、他人や大人の感情が分からなくなり、ゆうことを聞かなくなったりしているようです。私たち大人は、人の表情をみながら育ち社会生活をしてきましたから、マスクの人達が多くても、ある程度は想像して済ますことができます。でも、まだ成長段階の子供たちにとっては、感情的そして人間的な成長に大きな影響を与えてしまうでしょう。

 良いワクチンが開発されて、今回のウイルス騒動は収束に向かうことが予想されます。でも私たちの地球環境はたいへん厳しく、人類にとってとても厳しいものであることには変わりありません。そんな時期において、人々がお互いを大切にし、サポートし合える関係を構築できるかどうかがとても大切だと思います。

 世界では、Black Lives Matterなどでもみられるように、お互いを尊重し良い社会を作ろうとする熱い思いが共鳴し高まっています。コロナと遭遇することで、タッピングタッチのケアの特性が活かされ、その活動がより活発になることで、より多くの人々に役立っていくことを心から願います。この冬も、支援を必要とする人たちに、優しく温かいタッチとケアが届きますように。

「心・体の健康と防災セミナー」開催

2020/09/29中川一郎より

          ~コロナ過、災害時におけるセルフケアの重要性~

 2020年9月23日(水)大阪経済大学70周年記念館において「心・体の健康と防災セミナー」が開催されました。大阪経済大学では東淀川区と協力し、東淀川区民の健康増進と区民同士の交流づくりを目的に年間を通じて、様々なテーマを取り上げて実施しています。この日は中川一郎さんがテーマ「災害に備える心と体のケアータッピングタッチとセルフケア」で講演を行いました。コロナ過だけではなく台風被害等、複合的な災害が起きている現在、心身に様々な影響があると考えられています。そのサポート、セルフケアの重要性が高まる中、誰でも簡単にできるホリスティック(統合的な)ケアの方法の一つ「タッピングタッチ」を紹介。セミナー後半には全員で「腕だけ散歩」「ネコの足踏み」といった「タッピングタッチ」を参加者全員で体験しました。

※タッピングタッチ「ネコの足踏み」の動画はこちらから視聴できます。

大阪経済大学ホームページでも紹介されています↓

https://www.osaka-ue.ac.jp/information/news/detail-6181.html

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新型コロナウィルスについて

2020/03/20中川一郎より

タッピングタッチのみなさまへ
                            協会代表  中川一郎

 新型コロナウイルス感染症が国内外で拡大し、学校などを含め多くの施設が閉鎖されていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

 新型コロナウイルスがパンデミック・レベルの広がりをみせ、国内でも様々な影響がでるなか、タッピングタッチ協会でも、予防対策や今後の活動に関して話し合いを積み重ねてきました。みなさまにも、私たちの考えなどをお知らせすることで、少しでもサポートに成れればと思います。

 ご存知のように、WHOのテドロス事務局長は、「新型コロナウイルスはパンデミックと言える」と表明して、世界的な大流行になっていることが確認されました。欧州がパンデミックの中心とされるほど、イタリア、フランス、スペイン、米国などでの感染状況も深刻です。それらの国に比べると、日本での感染は抑えられていますが、予断は許さない状況です。 

 それではタッピングタッチの活動に関してはどのようにしていけばいいのでしょうか? 現状のように、人が集まる公共の場がほとんど閉鎖したり休業したりしている状態では、講座や体験会などは難しいし、コロナウイルスが収束していくまではひかえるほうがいいでしょう。感染拡大を遅らせるという視点からは、地域での状況を考慮しながら対応していくことが大切です。

 それでは、さすがのタッピングタッチも、新型コロナウイルスには歯が立たないか? という疑問が出てきそうですが、ご心配なく! 個人的や家族などでは、タッピングタッチはとても役立つものだと思います。

 現時点では、小・中・高校と特別支援学校での一斉休校の要請や公共施設の使用制限によって、子ども達の生活はとても制限され、ストレスがとても高まっています。学童や児童クラブなどでは、狭い空間に大勢と一緒にいるような生活を強いられている子供たちも多いとのことです。このような状況が続くと、子どもや家族への害も多く、体調不良や免疫力が低下することが危惧されます。

 もちろん、ストレスを感じているのは子供たちだけではありません。親も大人たちもストレスがたいへん高く、自然災害や増税などで経済が低迷しているなか、コロナウイルスが追い打ちをかけるような構図になっています。家族の場合、みんながストレスすることで、家庭内暴力や虐待の問題も心配です。まともな食事もとれなくなっている子供も多いようです。

 また、ゲーム機、スマホ、タブレットなどが普及していますから、ゲーム依存、ネット依存の増加も心配です。先日もテレビニュースで家族の様子が紹介されていましたが、男の子二人は、大画面を前にしてゲーム機を握りしめていました。

 そんな中、タッピングタッチをすることによって、心身のバランスを整え、副交感神経優位にすることで、抵抗力や免疫力をアップすることが期待できます。現在はまだ特効薬もワクチンも開発されていませんから、自分自身の免疫や抵抗力が頼りです。

 そして、子育て中の家族でさえも触れたりケアしたりすることが減っていますから、タッピングタッチによってケアし合うことがとてもいいと思います。安心できる人と一緒にいたり、よい関係性があったりすることが、ウエルビーイング(幸福感や全体的な健康)にとても大切であることがリサーチなどでも確認されています。

 そして、新型コロナウイルスは早く収束して欲しいですが、今は社会全体がスローダウンし、一緒にいる時間が多くなる機会ですから、それを活かして、お互いをケアする時間をとることを始められるといいな、と思います。

 タッピングタッチで一番大切なことは、私たちがもう一度お互いをケアし合い、仲良く支え合う生活をとり戻すことです。タッピングタッチの体験によって、「ゆっくり、やさしく、ていねいな、ケアのある生活」をとり戻していければと思います。

 私たちは、しらない間に、不安に駆られて走り回り、人に手をさしのべる余裕もなく、お互いをケアすることを忘れてしまったかのような生活をしていないでしょうか? 私たち人類は、集合的に自然を破壊し、全てを食い尽くしてしまうような生活と社会をスローダウンできずにいます。

 ヒトという一つの生物種によって、地球自体がバランスを崩し、膨大な数の種が絶滅し、異常気象や自然災害が増え、様々な病気が蔓延しています。私たち一人一人が、正気をとり戻し、よい息をして、優しさや思いやりの気持ちをとり戻すことが、なにより大切なのだと思います。

 もちろん現時点では、ウイルスに対して具体的で効果的な対応をとる必要がありますが、大きな視点では、私たちヒトが、ゆっくり、やさしく、ていねいなケアのある生活をとり戻すことが、とても大切だと感じるのです。

 タッピングタッチは、たんなる理想論ではなく、だれでもどこでも安心してすることができるように工夫されています。人と一緒にいたり、ふれ合ったりすることがためらわれる状況でも、タッピングタッチは、様々な活用の仕方があります。

 例えば、どうしても触れ合うことを避けた方がいいような状況であれば、タッピングタッチによるセルフケアを一緒にすることもできるでしょう。「腕だけ散歩」「セルフタッピング」そして「ネコの足ふみバージョンのセルフケア」などを上手く使えば、自分自身のケア、そしてお互いをケアすることができます。一人住まいの方や、一緒にする人が身近にいない場合も、これらのセルフケアの方法が重宝することでしょう。

 そして上記したように、家族や親しい人同士だと、タッピングタッチで触れたりケアしあったりすることは難しくないでしょう。 またある程度の予防策を工夫すれば、少人数で集まって基本型を学んだり、し合ったりすることも可能だと思います。高齢者や病気の方へのサポートとしてもとても有効だと思います。

 いかがでしょうか? 少し話が長くなってしまいましたが、タッピングタッチが今の時期にどのように活かせるか等、うまく伝わったでしょうか? 

 この新型ウイルスの問題は、長期戦になる可能性が高いようです。そして、

地球環境の破壊などが根本にあるならば、私たちがそのことに向き合い、ライフスタイルを変え、社会のあり方を良い方に変えていく必要があるでしょう。

そんななか、タッピングタッチが、みなさんやご家族に役立てば幸いです。ご要望やサポートへの工夫などありましたら、気軽にご連絡ください。全国の300人近くの認定インストラクターさんと一緒に、喜んでサポートさせて頂きます。

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日本健康心理学会ポスター発表

2019/10/01中川一郎より

日本健康心理学会第32回大会
2019年9月28日、29日
於: 帝京科学大学

一音さんと、認定インストラクターの福井義一さん、大浦真一さんがポスター発表をしました。

中川一郎 大阪経済大学 健康心ポスター2019_中川先生ver9

 

 

      福井義一 甲南大学 健康心ポスター2019_福井先生ver9

 

 

 

 

 

大浦真一 甲南大学 健康心ポスター2019_大浦ver7

 

西日本豪雨被害被災者支援についてお知らせとお願い

2018/07/26中川一郎より

みなさまへ
 
私たちの社会活動に関しても、ご理解とご支援をありがとうございます。
現在、長く外にいること自体が危険なほどの猛暑が続いていますが、みなさ
まいかがお過ごしでしょうか?

この猛暑のなか、7月7日から発生した西日本豪雨被害を受けた各地では、
瓦礫や泥の撤去が続いています。
広島、岡山、愛媛での死者の数は7月22日の時点で224人になりました。 
現在も広島県と岡山県を中心に4万人に避難指示が出ています。

酷暑の中の避難所生活は、どれほど厳しいものでしょうか。被災された方々
の心的ショック、家族や知人を亡く された喪失感や自責の念、避難生活から
くる疲労感、生活再建への先の見えないことの不安や絶望感は計り 知れない
ものがあります。

また、認知症を患っていたり、持病のある高齢の方々の抱える不安。環境が
変わって落ちつけず、不眠になって しまっている子供たちも増えてきている
とのことです。

このような状況を受けて、タッピングタッチ協会では、西日本豪雨被災者支
援として、タッピングタッチによるボラン ティア活動を支援させていただく
ことにしました。

避難所や施設などで、タッピングタッチが役立つと思われる方は、どうぞ協
会までご連絡ください。タッピングタッチのインストラクターに行ってもら
うなどして、お手伝いさせていただきます。

またインストラクターの方でボランティアへ行かれる場合、パンフレットや
チラシなどを無料で提供し、可能な範囲で交通費なども支給します。何かお
手伝いになりたいと思っている方、または予定のある方、支援者用のベスト
などもありますから、ぜひ協会までご連絡ください。

日々の生活で精いっぱいの中、支援やボランティア活動まではたいへんだと
感じるかたも多いと思います。

でも、たくさんのことでなくても、少しずつが大切だと思います。情報の提
供や避難所などの状況を教えてもらえるだけでも役立ちます。

今後ますます支援の必要な状況が増えることが予想されます。みなさんと、
無理なく「ゆっくり、やさしく、ていねいに」支え合っていけることを願っ
ています。

私も今まで、多くのインストラクターさんと連携しながら支援に関わってき
ていますが、 今回もぜひお手伝いさせてもらえればと思っています。

協会代表
中川 一郎

                                                          (写真は、熊本地震時の避難所での一音さん)