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タッピングタッチを通して届ける安心──学校での実践とその広がり

2025/10/16協会より

9月27日、日本心理臨床学会にて、「タッピングタッチを用いた心理教育・心の授業」をテーマに自主シンポジウムが行われました。オンライン開催でしたが約70名が参加し、関心の高さがうかがえました。
このシンポジウムでは、2021年から活動を続けている「学校で使えるTTプログラムを考える会」のメンバーが、学校現場での丁寧な取り組みや、授業用パワーポイント資料を活用した実践例などを発表しました。

今回は、メンバーの日々の実践から生まれたエピソードや、タッピングタッチの広がりを紹介します。

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◆ 小学4年生にセルフタッピングの授業を実施
6月24日と7月1日、小学校4年生の2クラスで心理教育の授業としてセルフタッピングを行いました。
子どもたちからは、「リラックスの仕方がわかって気持ちよかった」「いろんなところを触って気持ちよかった」などの感想があり、子どもたちがセルフケアを求めていることを改めて感じました。自分の手のひらでイメージのクリームを作り、全身にやさしく塗る“フィーリングクリーム”も人気で、「いろんな気持ちのほぐし方がわかって楽しかった」という声もありました。

◆ 「お母さん、タッピングタッチまたやってね」
個別に定期的な面談をしているお母さんに、1年前にタッピングタッチを紹介しました。今回、改めてお伝えし、その場で実際に背中へのタッピングタッチを行いました。すると、「家で子どもにもやってみたんです」と話してくれました。お子さんからは「またやって!」と何度もリクエストされているそうです。時間やタイミングを見ながら、無理なく続けられる方法を一緒に考えました。

◆親から子へ、子から親へ──PTA活動でタッピングタッチ
年度の始まりに行われた4月の職員会議で、タッピングタッチのパンフレットを配布したことがきっかけとなり、PTA役員会でタッピングタッチが紹介されました。
役員の希望で、3年生のPTA活動として親子でのタッピングタッチ体験会を実施。
内容は、気分チェック → セルフタッピング → 親から子へタッピングタッチ → 子から親へタッピングタッチ → 事後の気分チェック → 親子でふり返り、という流れでした。
印象的だったのは、親子ならではのほっとした表情が見られたことです。
参加者のチェックシートの分析でも、「リラックスした」「安心した」など気分の改善に有意な変化が見られました。

◆教職員研修でタッピングタッチ
自殺対策基本法の改正を受け、教職員を対象とした自殺予防研修を実施しました。
研修では、自殺のサインに気づき、声をかけ、話を聞き、専門につなぐという「TALKの原則(Tell・Ask・Listen・Keep safe)」を紹介し、子どもたちが発するSOSの出し方や、それをどう受け止めるかについて伝えました。
さらに、教職員自身のメンタルヘルスの大切さにも触れ、セルフケアの一つとしてタッピングタッチを紹介。セルフタッピングを約15分間体験してもらい、「緊張がほぐれた」などの感想が寄せられました。

◆伝えたかった気持ち──葛藤から生まれる次の一歩
市内の小学校で行われた「体罰防止研修」に参加。スクールカウンセラー(SC)が講師としてアンガーマネジメントを紹介していました。自分がこの研修の講師だったらタッピングタッチを取り入れたかったと感じました。

◆ 地域や海外にも広がるタッピングタッチの輪
ゴールデンウィークには、3人のインストラクターで軽度認知症の方が通うデイケアセンターを訪問し、ボランティアとしてタッピングタッチを体験してもらいました。
その場にいた、別の手法による「触れるケア」の講師の方がタッピングタッチにも関心を持ち、学びたいとおっしゃってくださいました。現在は、基礎講座A・B・Cを受講中です。
また、先月はイギリスに学生を引率し、来月はラオスを訪問予定。
世界にもタッピングタッチのやさしさが広がっています。

◆ つながりの中で広がるタッピングタッチ
今年度から新しく赴任されたスクールカウンセラー(SC)にタッピングタッチの話をしたところ、以前から興味があったとのことで強い関心を示してくれました。自主シンポジウムの案内もお渡しし、参加をお誘いしました。

◆ 過去のご縁が、未来につながる
スクールカウンセラー(SC)として昨年行った4年生の「心の授業」を、今年も実施できるようお願いしています。4〜5年前にスーパービジョンをしていた臨床心理士の方にもタッピングタッチを紹介しており、再会した際にそのことを覚えていてくれました。協会ホームページのイベントカレンダーに掲載されている講座や体験会にもお誘いしました。

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実践の積み重ねやインストラクターの働きかけが、子ども・先生・保護者の心に少しずつ、そして確実に「安心」と「ぬくもり」を届けています。これからも現場の声を大切に、「学校で使えるTTプログラム」を育てていきます。

みなさんの学校や地域でも、タッピングタッチを取り入れてみませんか?

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