活動レポート(ブログ)

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2018年協会主催講座一覧

2017/12/21お知らせ

来年2018年、協会で主催する講座の日程がきまりましたので、お知らせします。
詳細は決まり次第イベントカレンダーにアップします。

(1月)
 ★こころのケアスタディグループ(インストラクター対象)
1月21日(日)10:00~13:00
場所:東京 メンタルヘルス麹町セラピーシステム

 ★インストラクター認定テスト(主に四日市での養成講座受講者対象)
1月27日(土)10:00~17:00
場所:三重県 四日市市市民交流会館(予定)

(2月)
 ★心のケア支援@福島 
2月10日(土)~12日(月)
講師:中川一郎
申込・問合せ:冨森崇(認定インストラクター)

 ★アドバンス講座@福岡
2月18日(日)10:00~16:00
場所: リファレンスはかた近代ビル 会議室107
(博多駅東1丁目1−33 はかた近代ビル 1F 博多駅筑紫口から徒歩3分)

チラシはこちら→2018.2.18@福岡

(3月)
 ★基礎講座A@東京
3月3日(土) 10:00~12:00
場所:国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟 40人室
講師:中川一郎

 ★インストラクター研修(基礎A)「基礎講座A開催のために」
3月3日 (土) 10:00~17:00
場所:国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟 40人室

 ★アドバンス講座@東京
3月4日(日)10:00~16:00
場所:国立オリンピック記念青少年総合センター カルチャー棟 美術室

チラシはこちら→2018.3.4@東京

(4月)
 ★インストラクター養成講座①in東京    <----4月7日から変更になりました!
4月14日(土)10:00~17:00
場所:NUTULUCK半蔵門 第3会議室 

 ★インストラクター養成講座②in東京    <----4月8日から変更になりました!
4月15日(日)9:00~17:00
場所:国立オリンピック記念青少年総合センター 

(5月)
 ★インストラクター養成講座③in東京 
5月12日(土)10:00~17:00
場所:東京都(未定)

 ★インストラクター養成講座④in東京
5月13日(日)9:00~17:00
場所:国立オリンピック記念青少年総合センター(予定)

 ★基礎講座A@神戸
5月19日(土) 10:00~12:00
場所:三宮コンベンションセンター 会議室502
講師:中川一郎

チラシはこちら→基礎講座A 2018.5.19

 ★インストラクター研修(基礎A)「基礎講座A開催のために」 
5月19日 (土) 10:00~17:00
場所:三宮コンベンションセンター 会議室502

(6月)
 ★アドバンス講座@神戸
6月2日(土)10:00~16:00
場所:神戸市産業振興センター

チラシはこちら→アドバンス 2018.6.2

 ★インストラクター認定テスト@東京 (主に東京養成講座受講者)
6月16日(土)9:00~17:00
場所:東京都(未定)

 ★基礎講座B@東京
6月17日 (日) 9:30~12:00
場所:大田区産業プラザPio E会議室    
講師:中川一郎

チラシはこちら→2018.6.17 基礎講座B@東京

 ★インストラクター研修(基礎B) @東京「基礎講座B開催のために」
6月17日 (日) 9:30~17:00
場所: 東京都(未定)

(7月)
キャンセル ★基礎講座C@神戸 「人をケアする方法や支援のありかたを学ぶ講座」
7月7日 (土) 9:30~12:00
場所:神戸学生青年センター 和室
講師:中川一郎

チラシはこちら→基礎講座C 2018.7.7

キャンセル ★インストラクター研修(基礎C)@神戸 「基礎講座C開催のために」
7月7日 (土)9:30~17:00
場所:神戸学生青年センター 和室&会議室A

(8月)
★基礎講座A@北海道(札幌)  受付中!!
8月4日(土) 14:00~16:00
場所:札幌カフェ 2階会議室
講師:中川一郎

★アドバンス講座@北海道(札幌) 受付中!!
8月5日(日)10:00~16:00 
場所:札幌カフェ 2階会議室
講師:中川一郎

チラシはこちら→アドバンス・基礎講座A 2018.8.5

★サマーリトリート&研修B&C@三重県菰野町 希望荘
8月24日(金)、25日(土)、26日(日) 詳細未定はお問い合わせください
認定インストラクター対象

(11月)
★アドバンス講座@東京
11月10日(土)10:00~16:00
場所:田町・芝浦ホール (東京都 港区 芝浦3-11-5 第三協栄ビル 3F)301号室
講師:中川一郎

チラシはこちら→アドバンス 2018.11.10

★基礎講座C@東京 「人をケアする方法や支援のありかたを学ぶ講座」
11月11日 (日) 9:00~12:30
場所:大田区産業プラザPio
講師:中川一郎

チラシはこちら→基礎講座C 2018.11.11

★インストラクター研修(基礎C)@東京 「基礎講座C開催のために」
11月11日 (日)9:00~17:00
場所:大田区産業プラザPio 和室
講師:中川一郎

★インストラクター養成講座①in神戸    <----9月から変更になりました!
11月17日(土)10:00~17:00
場所:三宮コンベンションセンター

★インストラクター養成講座②in神戸   <----9月から変更になりました!
11月18日(日)9:00~17:00
場所:神戸学生青年センター(会議室A&和室)

(12月)
★基礎講座B@神戸
12月8日 (土) 9:30~12:00
場所:神戸学生青年センター(会議室A)

ちらしはこちら→基礎講座B 2018.12.8

★インストラクター研修(基礎B) @神戸「基礎講座B開催のために」
12月8日 (土) 9:30~17:00
場所:神戸学生青年センター(会議室A)

★インストラクター養成講座③in神戸     <----10月から変更になりました!
12月15日(土)10:00~17:00
場所:三宮コンベンションセンター

★インストラクター養成講座④in神戸    <----10月から変更になりました!
12月16日(日)9:00~17:00
場所:神戸学生青年センター 会議室D

(2019年1月)
★インストラクター認定テスト@神戸
1月26日(土)9:00~17:00
場所:三宮コンベンションセンターまたは神戸学生青年センター(予定)

全国大会2017が開催されました。

2017/08/09協会より

タッピングタッチ全国大会2017が、8月5日6日三重県菰野町の希望荘で行われました。

一日目の午前中は一般公開講演。

参加インストラクター集合写真


インストラクターを含む協会会員と一般の方々、合計71人の参加がありました。
子どもさんの参加もあったので、子どもの声が聞こえるなかで、和やかにタッピングタッチをしたり、中川一郎(協会代表・タッピングタッチ開発者)の講演「ゆっくり、やさしく、ていねいな、ケアのある生活」を聞きました。

~地元の人たちからこんな声が聞こえてきました~
・菰野町の住民です。日頃の忙しさを忘れ、とてもリラックスした時を過ごさせていただきました。ゆっくり、やさしく、ていねい、正しく、基本を教わりました。忘れかけている日々の暮らし、大切な時間の過し方、子、孫、友達に伝えたいと思います。
・都合で午前中だけの参加になりましたが、お部屋中にやさしい気持ちがあふれて心地よい空間になりました。お互いにやりあうことが大切だと感じました。だれかにしてあげたい気持ち、大切に。(津市)
・毎日忙しくしている為、今回タッピングタッチをして頂き、自分自身を振り返ることができ、心身共に健康を取り戻した気分です。子供が小さかった時に「トントン」してねむらせたこと思い出しました。来週帰省する為、母親にしてあげたいと思います。(県内)
・非常に心かららくになりました。(四日市市)

(アンケートより)

午後は、シンポジウム「子育てと家族におけるタッピングタッチ」とグループディスカッション。
2人のインストラクターが登壇して家族の中でのタッピングタッチの活用について報告、そのあと3人のインストラクターが兵庫や沖縄からビデオレターで登場しました。
アンケートからは、「小さい頃からの関わりがとても大切だな、と改めて感じた」「お話しの中の家族の心のつながりが見えるようでした」
グループディスカッションでは、「子育て」「心理」「教育」「地域・ボランティア」「被災者支援」「障がい」など、興味ある分野で集まって話し合いをしました。
お楽しみタイムには腹話術人形のポコチャンも登場し、盛り上がりました。

参加した方は…
プログラムの中で話される内容ひとつひとつに胸打たれながら聞いて、メモを取りました。特にシンポジウムで報告されたエピソードに励まされ背中を押してもらったような気持ちになりました。(アンケートより 一部抜粋)

2日目は、インストラクター限定。42人のインストラクターが参加しました。午前中は4人の方からの活動発表「学校と心のケア」「海外での種まき」それぞれのテーマで、タッピングタッチの活用や利用について話を聞きました。
午後は研修講座で、中川一郎さんがインストラクターからの質問に答えたり、表彰があったりして、和やかな時間が流れました。

参加したインストラクターさんからは…

・去年と今年と参加しましたが、いろいろな学びがあり、がんばって種まきをしようと思いました。メールやSNSなど便利な時代になりましたが、顔を合わせて交流することの大切さをつくづく感じます。
・学校での活動、個別の事例等、具体的にきけて良かったです。
・毎年参加していますが、自分の中でタッピングタッチの根が張っていくのを感じます。全国のインストラクターが一堂に会する意味を強く感じます。
・大会参加のたびに人間性の向上とタッピングタッチの技能向上に役立っている実感を持っています。
・初めての参加でしたが、皆様の温かさ、柔軟性、学ぶ意識の高さに、改めて意欲がわいてきております。カリキュラム、コンテンツ共に理解しやすく組み立ててあり、体験からの学びは何よりも得難いものでした。海外の種まきは感銘を受けました。
(アンケートより)

参加された方それぞれにとって、とてもいい時間になったようです。

 

 

 

みやざき中央新聞への掲載 パート2

2017/05/30協会より

心にも、体にも、タッピングタッチ! 2

やさしいタッチで不安や緊張が和らぐ~震災の被災地で活躍

  タッピングタッチの開発の背景には、私のアメリカでの体験があります。

私は、アメリカの大学で臨床心理学の博士号を取得して、地域の精神保健センターや総合病院の精神科、薬物依存患者の施設などで治療に関わりました。

そこで感じたのは、「治療者や施設を増やしても病気は減らない」ということでした。

 確かにアメリカは医療の面でも先進国で、治療技術も最先端。心理的なケアも行き届いています。

にもかかわらず日本でいうところの「生活習慣病」の患者は増える一方で、心の病気に関しては子どもを含む多くの患者が睡眠薬や抗うつ剤なくしては生活できない状況でした。

そんな状況を目の当たりにして、病気を治してくれる治療者や薬に一方的に頼るのではなく、自分たちで心身をケアする方法が必要だと考えたのです。

開発においては治癒的効果はありながらも副作用がないことが大切でした。

他にも、「シンプルで誰でもできる」「お金がかからない」「高度なトレーニングや技術を必要としない」などを考慮していきました。  

理論をもとに試行錯誤と実践を通して行き着いたのがタッピングタッチです。

 タッピングタッチの基本形は、2人でペアになり、1人が後ろに回って相手の背中などを やさしく、ゆっくり触るという形です。

タッチの仕方はいくつかあって、たとえば指先の腹のところを使って軽く弾ませるようにやさしく叩く「タッピング」。手を軽く丸めてネコが足ふみをするように行う、題して「ネコの足ふみ」。手のひら全体でやさしく触れる「ソフトタッチ」など、いろいろあります。タッチは左右交互で、速さはゆっくりが基本です。

基本形の他に、自分で自分をケアする「セルフタッピング」と、介護や看護などのケアの現場でも活用できる「ケアタッピング」があります。

東日本大震災の避難所にボランティアに行った時、NHKの『ためしてガッテン』の取材を受けました。避難所にいる被災者の多くが「夜眠れない」という悩みを持っていました。昼間は瓦礫の片づけをされているのですが、夜は不安や緊張で眠れないのです。

そういう状況の人たちにタッピングタッチをしていただきました。初めは「別に何も感じないよ」といった反応もありましたが、しばらくするとリラックスして眠ってしまう人も多く、 司会の立川志の輔さんが驚いておられました。

タッピングタッチはマッサージではなく、ソフトに触れていきます。これが不安や緊張感を和らげ、自然に眠りが訪れるのです。

また専門家でなくても、親子、夫婦、初めて会った人同士でもすることができます。その上、されている人だけではなく、している人も癒されます。

し合っているうちに、お互いへの安心や信頼感が高まり、良い関係が育つことも多いのです 。

パート3へ

みやざき中央新聞掲載 パート3

2017/05/30協会より

心にも、体にもタッピングタッチ! 3

ケアによる健康で豊かな生活を ケアし合う大切さ

 私の専門は臨床心理学です。カウンセリングや心理療法を通して心をケアしたり、セルフケアのやり方を教えたりすることが多かったのですが、触れることやお互いにケアし合うことの本当の大切さには気が付いていませんでした。

 しかし、タッピングタッチというケアの技法を通して、「触れ合う」とか「ケアし合う」ことがとても大切であり、にもかかわらずそのことが私たちの生活から抜け落ちていることに気付いたのです。

 そして、実際にタッピングタッチをすることで、してもらう人もしてあげる人もお互いが優しさや思いやりの気持ちを取り戻していくという、そんな素敵な変化を目の当たりにしてきました。

 ある学校のPTAに呼ばれて講演とワークをしました。後日、こんな感想がたくさん届きました。

「普段忙しく働いていて心に余裕がありませんでした。そんな親たちにタッピングタッチはとてもいいと感じました」

「講演が終わる頃には皆さん、とても和やかな気持ちになっていました。大人も子どももいろんなストレスの中で生活しています。家に帰ってぜひ家族にもやってあげたくなりました」

「人の手って本当に温かくてやさしいんですね。どれだけ相手のことを思っても時間に追われて表現できなかったりします。ゆったりとした時間の中で、相手をケアし、一緒にいることの大切さを感じました」

 昨年、沖縄のある病院から「タッピングタッチをとり入れたい」という依頼があり、教えに行きました。

 今、看護師さんや介護士さんなど、ケアの専門家が心身共にくたくたになっています。学校現場でも、心の病で休職したり離職されたりする先生が少なくありません。そういう方たちのストレスケアとして、自分でもできる「セルフタッピング」をお伝えしています。タッピングタッチ協会のHPで紹介していますので、参考にしてください。

 それから医療現場でも患者さんの緊張や不安を和らげることにとても有効です。ホスピスでも心のつらさは薬ではどうにもなりません。人がケアするのが何よりです。

 介護家族の方もタッピングタッチを学んで利用することができます。介護する側のストレスも多いので、ケアし合ってもらうようにします。

 海外にも教えに行っています。言葉や文化が違っても、手とハートだけを必要とするタッピングタッチはとても有効だと感じています。

 タイのスマトラ沖地震の被災地にも行きました。ウガンダの元子ども兵のリハビリ施設でも紹介しました。タッピングタッチはトラウマの軽減効果もあるので、心の傷を深く受けている子どもたちにも有効です。また、アフリカのエイズ患者さんには、家族でケアできるように学んでもらいました。

 大きな利点は、何も特別なものを必要とせず、専門家でなくてもケアできるということです。

 この厳しい時代において、タッピングタッチが多くの人や家族に伝わり、健康で豊かな生活のケアになっていくことを、私は心から願っています。

(大阪で開かれた「タッピングタッチによる心のケア基礎講座」より/取材・大槻博美関西特派員~終わり)

みやざき中央新聞への掲載 パート1

2017/05/30協会より

心にも、体にも、タッピングタッチ! 1

ゆっくり、やさしくふれて「健康になろうとする内なる力」に働き掛ける

一般社団法人タッピングタッチ協会代表・臨床心理学者 中川一郎

<硬直していた体が緩んできた>  

私が開発した「タッピングタッチ」を紹介する前に、まずタッピングタッチをベトナムで 実際に試みた話をさせていただきます。

2009年、私はベトナムのホーチ・ミン市を訪れました。ベトナムは長年にわたる戦争で約300万人が殺され、戦争が終わって40年以上経つのに今もつらいトラウマ(心の傷)を抱えている人がたくさんいます。  

私が向かったのは、結合双生児だったベトちゃん・ドクちゃんが分離手術を受けたツーズー病院です。戦争時の枯葉剤散布の影響を受けて奇形で生まれた子どもや障がいのある子どもを治療したり、ケアする病棟がそこにあるんです。当時もまだ奇形の赤ちゃんが生まれていました。

そこでタッピングタッチを役立ててもらうことがその旅の目的でした。

同行したボランティアが2歳くらいの子の手足をさすりました。その子の体は硬く、腕はちょうどボクシングの構えのように、胸の前で拳を強く握っていました。片足はタオルのようなものでベッドにくくり付けられていました。ボランティアの1人が「硬く握った手も体も緩まないですね」と言いました。

私はその小さな体にゆっくりとタッピングタッチをしていきました。

10分くらいやっていると、腕のこわばりが緩み、硬く握っていた手が開き始めました。 そして時折笑顔を浮かべたり、抱っこしてほしいかのように手を伸ばしてくるようになりました。

次に、その子の隣に寝かされている5歳くらいの子にもタッピングタッチをしました。その子は、体が右によじれ、腕が折れ曲がったような格好で硬直していました。最初の子どもより重症で 、断続的に声をひねり出すように泣くので、私はいたたまれなくなりました。  

その子にもタッピングタッチをしていきましたが、何も変化は起こりませんでした。その子の苦しみだけが伝わってきて、私にとってつらい時間でした。

 何の罪もないどころか、戦争が終わって30年以上(当時)経つのに戦争の影響を引きずって生まれてくる子どもたちがいるという現実に涙が止まりませんでした。

私は無意識に、硬く握っている彼の手を包むように触れていました。するとふっと泣き声が止まり、やがて手足のこわばりが緩んできました。20~30分のタッピングタッチで手足が伸びてリラックスした体になっていったのです。

彼は「誰が僕の体を触っているんだろう」と言わんばかりに目をきょろきょろと動かし 始め、顔を近づけるとちゃんと私を見てくれました。

 この体験は、私にとって重要なものでした。帰国後に研究発表などで伝え、国内の重症心身症の施設などでの利用に繋がっていきました。

<赤ちゃんにもできる心のケア>

 「タッピングタッチ」とは、ゆっくり優しく丁寧に、手のひらや指の腹で相手の背中や頭を左右交互にタッチすることを基本としたホリスティック(統合的)な心身ケアの方法です。とてもシンプルですが、互いにケアし合うことで共に「健康であろうとする内なる力」に働き掛けます。

この「健康であろうとする内なる力」というのは、違う言葉でいえば自己治癒力、自然治癒力といわれていますが、そういうものが人間にはあります。それが滞ったり、弱くなると体が固まってしまうんです。その力を取り戻そうというケアなのです 。

一見するとマッサージというか、体のケアのように見えますが、実は心のケアとしてタッピングタッチは、非常に有効なのです。言葉に頼らない心のケアだからです。

普通、心のケアというとカウンセリングがあります。これは言葉の力が大きいです。「沈 黙もいいですよ」といってもやっぱり言葉がないとなかなか心のケアにはなりません。だから、赤ちゃんにカウンセリングはできないと思うんです。

しかし、タッピングタッチは赤ちゃんにもできる心のケアなのです。それからコミニケーションが困難な障がい者の人や認知症の人の心のケアにも有効なツールになります。

<思いやりや愛は贅沢品じゃない>

マザー・テレサが日本に来られた時、「人間の微笑み、心のふれあいを忘れた人たちがいます。これはとても大きな貧困です」と、このようなことを言われました。  

マザー・テレサは日本に来られて、日本人の「貧しさ」を感じられたのです。当時、日本は高度経済成長のただ中を突っ走っていましたから経済的にはどんどん豊かになっていました。つまりマザー・テレサは精神的な面で「貧しい」と感じられたのです。人が微笑みを持っていないとか、人々が精神的につながっていないとか、経済成長を遂げていく時代にそんなことを感じておられたんですね。あれから随分と時が経つわけですが、その現状はもっと深刻になっている感じがします。

チベット仏教のダライ・ラマ法王はこう言っています。「思いやりや愛は贅沢品ではありません。それは自分の内と外の平和の源として、人類が存続していくための必需品なのです」  

「思いやり」や「愛」は、私たちが生きていく上でなくてはならないものですよね。皆さんも「そうだ、そうだ」と言うでしょう。

しかし現代社会でまず大事なのは「自分」です。次に「お金」や「物」あるいは「権力」、そこに価値を見出している時代です。でもその対極にある「思いやり」や「愛」がないと本当は生きていけないんです。

これがどうタッピングタッチと関連するのかというと、それは「ゆっくりやさしくケアし合う」ということで表現しています。

タッピングタッチによる安全なふれあいやケアの体験を通して、思いやりの気持ちを取り戻し、支え合いのある関係を取り戻していくことができるのです。

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